月夜見2 ページ25
夢主視点
当の任務は非常に呆気なく終わった
みんなとのチームワークも悪くなく、
予定よりも遥かに短時間で完遂できた
その帰り道、食事も終わった頃に口を開く
『全部話すよ。月夜見のことも、私のことも』
全員の視線が、布越しにも感じられた
ーーーーーー
(夢主でかたられます)
私たちが、血や月を見ると暴走する
って言う話はしたよね?
あれは、飢餓状態じゃなければ起こらない
しかし、関係ない者から
無理やり血をもらうような酔狂な輩は
月夜見にはほぼいない
ならどうするか
血を提供してくれる人を探すんだ
その代わり、月夜見は従順な僕として
その者に己を捧げる
これが《血の契約》だ
一度契約したら、
どちらかが死ぬまで破棄できず、
月夜見は例え命を落とすとしても
命令には背けないんだ
そして、それを悪用するやつが現れた
月夜見は、高い身体能力と優れた感覚、
そして、血を操る特殊な血継限界をもつ
目隠しして平常に生活できるのはそのお陰だ
月夜見のそれらの力を利用し、
無理な命令を与え、
今の地位に就いている大名や貴族は少なくない
文献や記録に月夜見のことが
ほとんど載っていないのは、
それらの権力者たちが
その情報を余所に与えないようにするためだ
全く、こういうときの行動力は
呆れるほどあるよな…
あの男もそうだ
あれは、私の父親で間違いない…と思う
私は幼少の頃から檻のなかで育ったから、
顔どころか、名前すらはっきりしないんだが…
あの男は、私の母親に無理やり契約を結ばせ、
私を産ませた
そして、命令によって、母は死んだ
私はその男の元から脱走し、
あいつは月夜見の力を失ったことで
没落貴族と成り代わった
だから、どうしても
私を連れ戻したかったんだろう
私の暴走とあいつの暴挙で、私の仲間は…
月夜見とバレたら大変なことになる
そんな理由もあって、
月夜見だとバレないために目を隠すんだ
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作者名:じょうろ | 作成日時:2020年1月23日 21時