【NARUTO】月下の紅時雨

逃げろ２ ページ15

リサ視点

『くっ、そ…』

完全に弱味を利用された

起爆札とかトラップとかは避けようがない


しかも、

『抜けっ、ろよ！』

足が抜けないとは…

目隠しに手が届かない

この姿勢なら、足と岩壁しか見えないが、
早くしないと誰か降りてくる


そうなれば、あいつらの思う壺だ


引き抜く？

でも、そしたら…


ﾈｼﾞ
「大丈夫か？」


ビクリ、と肩が震えた

最悪だ、こんなに早く来るなんて…

ﾈｼﾞ
「おい、大丈夫かと聞いて…」

『来るな！』

思わず叫んでしまった

罪悪感が生まれるが、すぐに後悔に変わる


無理矢理振り向かせられてしまった


瞳には、切り傷をつくった少年と、
その背後に煌々と輝く月が映った



血…と、月、、、？


ゾッとしたと同時に、
何かに呑み込まれる感覚に陥る


まずい、このままじゃ…


ﾈｼﾞ
「お前、その目…」

『逃げろ』


侵食を食い止めるために、
岩肌に掌を叩きつける


痛みは感じなかった

焦りと、いつまでも動かない彼に対しての
怒りしかなかった


『早く逃げろ！』


お願いだから、はやく


ようやく動き出したことにホッとし、
足を引き抜きにかかる


深い傷ができたが、血は止まっている

痛みでまだ正気を保っていられた






しばらくして彼の姿が
完全に見えなくなったとき、
私の意識は完全に途切れた…

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