【テニプリ】跡部景吾の護衛人Ⅱ【刀剣乱舞】 (ページ14)

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Act.9 ページ14

「おい、大丈夫か」

「…知らない人のフリしてたのに」

そんな格好してたら背景に溶け込むのは難しい＿＿と言おうとしたが、Aの身体が強ばっていたので、言葉をぐっと飲み込んだ。
その前に、そんなこと言ったとして、不本意だと言われて終わる。

「何だ、いつもの威勢はどうした」

「…仕事ではいつも影に隠れて行動しているので、人に見られることに慣れていないんです」

なるほど確かに先程から異様にキョロキョロとしている気がする。
Aが周りを見渡しているのはいつもの事だが、今日は監視と言うより、人目を気にしている様子だった。

「人目には慣れろ。これからお前は学校に通うんだ、転入生なんて誰でも気になって見たがる。そのままだとお前入学して間もなく人の視線だけで死ぬぞ。」

「わ、わかってます。」

いつものツンとした返事にも威勢がない。
針山のように何を言っても突き刺してくる言葉が、まるでシリコンのようにグニグニである。アイデンティティが周りの人間によってどんどん崩れてくいく。

こんなんで本当に学校に通って大丈夫か。今まで学校に行っていなかった理由が手に取るようにわかる。

「アイツらは俺様と同じ部活の奴だ。悪い奴ではい。」

Aは何も言わなかった

＿＿＿その時だった

「お客様！お待ちください！！」