【テニプリ】跡部景吾の護衛人Ⅱ【刀剣乱舞】 (ページ2)

今日:5 hit、昨日:8 hit、合計:9,913 hit

Act.2 ページ2

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ…ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ……

…学校、か
こんなこと、本当は言っちゃいけないと思うけど、
正直、通いたい
通ってみたい

自分で選んだ道なのにね

というか、今までも、何度か通わないかと誘われたことはあったけど、ことごとく反対してきた私が、急に行きたいって言って通わせて貰えるのだろうか

不安が募る

ｶﾞﾁｬｯ、と電話を取る音がした

この電話は、政府の特務審神者の仕事場(住み込み可)の固定電話に掛けているので、誰が取るか分からない

ちょっとした楽しみなのだ

「もしもし」

『ああっご主人様！久しぶりにお話が出来て僕は嬉しいよ！』

…ハズレだ

コレは亀甲貞宗
あの徳川家に伝来し、東京博物館にて展示されていたこともある。刀身は美しく、茎に亀甲菊花紋が彫られている。
しかし、どうしようもないドMなのだ

電話越しに息遣いが荒いのがわかる
怖っ
逆イタ電かよ

「いいから一期に代わって。居る？」

『ああ居るとも。ご主人様の命とあらば、今すぐにでも代わるのだけれど、もう少しだけでもお話がした…』

「どの立場で言ってんの、さっさと代わって。」

ぴしゃりと言ったのだが、相手は怯むどころか悦んでいる

『ああっ！対応が冷たいっ！分かった、すぐに代わるよ』

そう言って、電子音の曲が流れる

亀甲は、うーん
悪い奴じゃないんだけどね
いざって時には頼りになるし
しかし、この性分である

『お待たせして申し訳ありません』

「大丈夫一期。最近そっちの様子はどう？」

この落ち着いた喋りは、一期一振
豊臣秀吉に献上された刀で、物腰が柔らかいが服装が派手。同じ刀派に短刀が多く、その子達からいち兄と称され慕われている。それで一期も頼られるのに慣れているのか、私も一期を頼りがちなのだ。

『こちらは特に問題ありません。
ただ、弟達が主のことを心配していますので、主も忙しいのは承知の上、たまには顔を出して頂きたく存じます』

「そうだね。私も久しぶりに皆に会いたいし、今度暇を見つけて帰るね」

皆の顔が浮かんで、懐かしい感覚に陥る

『ありがとうございます。して、何の御用でしょう』

そうだ。ちゃんと言わないと
そのために電話したんだった

「…あのね、一期。真面目に聞いてね」

『自分は至っていつも真面目ですぞ』

ふんわりした物腰で話していたが、急に声が引き締まる

「その…学校に通いたいな、って」