14， 幸せ ページ17
A｢……｣
落ち着け…冷静になれ…そう心の中で自分に言い聞かせる。ヒカルは無自覚なのかもしれないけれど、私はかなり気にしてしまう。
フロイ｢Aから来るなんて…！一体何が!?｣
その言葉で意識は現実へと戻る。いつの間にか兄さんのパーカーの裾を掴んでいたようだ
一星｢何か考え事？｣
A｢まぁ…｣
彼の方が背が高いため、顔を見ずに返事をした。顔が赤くなってたら嫌だから
フロイ｢…もしかして｣
一星｢？｣
フロイ｢あの写真の事、まだ怒ってるの？｣
A｢違う、そうじゃない｣
フロイ｢良かった〜｣
一星｢怒ってないんだ…｣
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〜夕方〜
フロイ｢ヒカル、今日はありがとう！｣
A｢…ありがと｣
一星｢こちらこそ！｣
答えは見つけられなかったけれど、あと一歩の所にまでは来たと思う。
フロイ｢じゃあね！｣
まだ帰りたくない。
もう少しだけでいいからこのまま…なんて言い出せない
一星｢あ！A。｣
急に名前を呼ばれて、ドキッとしてしまう。
A｢何、ヒカル？｣
一星｢これ、あげる！｣
A｢ぇ…｣
渡されたのは、あの時見ていたクマゾウぬいぐるみ。
A｢…いいの？｣
一星｢もちろん！｣
こんな事初めてだから、すっごく嬉しい。今にも泣きそうだ。
だけど、それを我慢して
A｢ありがとう！ヒカル！｣
ただそう言った。
心の底から笑えるのはいつぶりだろうか。
一星｢うん！｣
フロイ｢Aがこんな幸せそうな笑顔を！…やるね…ヒカル(ﾎﾞｿｯ)｣
一星｢フロイ？｣
ﾊﾟｼｬ!!
A｢あ〜！兄さん撮らないで！｣
でも、今くらいは許してあげてもいいや
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作者名：星那 | 作成日時：2019年7月26日 16時
