Who are you？～夏の匂い～ (ページ19)

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やっとマンションまでついて

玄関のドアを開ける。

夜以外の外の色や匂いを消すように

洗面所で冷たい水で腕と顔を洗い流す

この時間、お母さんは仕事だ。

一生懸命頑張ってるんだろう

お母さんは自分のカフェを経営していて

結構人気があるらしい。

こんな私のために頑張ってくれてるって思うと

やっぱり心がフラっとして、イラってくる。

でも、今は暑さで怒る元気もなく

自分の部屋に閉じこもる。

イライラしてると余計に日光が嫌になって

真っ黒のカーテンをザッと閉める。

白と黒で統一された自部屋。

なんで白と黒かと言うと

夜の色だから

私の心を包んでくれる色

暗い色で私を包み込み

何色にでも染まる白で私の心をまっさらにしてくれる

制服を脱いでだぶだぶのトレーナーを取り出す。

長袖は落ち着く

クーラーをつけて、誕生日にお母さんが取り付けてくれた

小型のスピーカーと自分のアイフォンを繋ぐ。

私は布団の中に潜り込み

画面をタップして音楽を再生する

少し大きめの、外には聞こえない程度の

裏切るくらいの音量で

24:00前にたたき起こしてよ。

でも、たたき起こしてくれる人なんかいない

お母さんに頼むのもめんどくさくて

結局電子目覚まし時計を24:00にセットする

「疲れた。ちょっとだけ仮眠」

そして目を閉じると、

自然と1粒涙がこぼれた。