Who are you？～夏の匂い～ (ページ20)

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トゥルルルルルル

目覚ましの音で目が覚めて、

まだ少し眠たい目を擦りながら

むくりと体を起こす

「ちゃんと24時前､､､」

別にこんな時間に起きて何をするってわけでもなく

とりあえずもう一枚、今度は灰色のだぶだぶのトレーナーを、引っ張り出して

お風呂に向かった。

リビングを通るとダイニングテーブルの上には

お母さんの作った私の大好きなオムライス

それと、私の大好きなお母さんの手紙

『Aちゃんへ
お母さんお店の装飾変えてくるから出かけるね！起きたらオムライス食べなね！(๑°꒵°๑)』

可愛い絵文字付きの手書きの文

そういえば、お昼ご飯食べてない

いつもならこんな優しさにイライラするのに

今はなんだかそんな気にならなくて

お母さんのオムライスを頬張る

ゆっくりと食べて40分もかけて味わって

やっぱりカフェやってるお母さんのオムライスは

特別美味しかった

食べ終わって美味しさを噛み締めながら

お風呂に入って

髪を乾かす。

新しいトレーナーだったから少し不安だったけど

いつもよりサイズもいい感じで

下にパジャマ用の短パンはいて

夜の下北沢に今日も私は紛れ込む。

今日も会えないかな～なんて

思ったりしてみて､､､

やっぱり会えるわけもなく､､､

少し寂しくなって、辛くなって､､､

「だから、なんも無い！わたしはただのいちファン。昨日あった2人だってただのファンだって思ってる。」

小さい声で自分に言い聞かせる

でもやっぱ、やっぱり

悲しくなって涙がこぼれる

「今日は帰ろ」

私を包んでくれる夜の闇は

今日はなんだか少し肌寒かった