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その後、懸命な看病の甲斐あって、授業が終わる頃には熱中症の症状も和らいできた。
どうにか1日を乗り切ることが出来たが、疲労もあり、自室に帰って来た途端に倒れ込んで寝てしまった。
目を覚ました時、時計は17時半を回ったところだった。
家族はまだ帰ってきていない。
日は遠くの山に沈んで、空に宵闇が迫りつつある。
窓を開け、空気を入れ替える。すぐ下から聞こえる鈴虫の鳴き声が心地良い。
気分転換に風にでも当たって来ようと、沙夜は着替えて外に出た。
逢魔時という言葉がある。
日没直後の紫色の空を指し、魔物や大禍に遭うと信じられてきた。
加えて、沙夜は一護に負けず劣らずの霊媒体質。
つまり、悪霊の類も引き寄せてしまう。
突如、空間を割いて大虚《メノスグランデ》が現れた。
人間とコウモリが混ざったような奇怪な姿だ。欠けた仮面から本来のギョロリとした瞳が覗く。
沙夜は後退りするが、足を滑らせて尻餅をついた。
足が震えて言うことを聞かない。
「沙夜ああっ!」
その時、後ろから黒い袴姿の一護が駆けてきた。
背中の大きな刃物を抜き、一護は大虚に斬りかかる。
だが、攻撃がやや浅い。大虚は傷を再生させ、一護に強烈な裏拳を見舞った。
一護は軽々吹き飛び、背中から塀にぶつかった。
衝撃で塀に亀裂が走る。
「一護っ!!」
「だ……大丈夫だ。こんくらいじゃ死なねえ……」
再び大虚は沙夜に狙いを定め、握り潰さんと手を伸ばしてきた。
それを一護が斬魄刀で受け止める。
沙夜の動悸は増していき、脂汗が全身を覆う。
――次の瞬間、世界が一変した。
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kocha28012(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続編待ってます! (12月30日 1時) (レス) @page44 id: a73870853f (このIDを非表示/違反報告)
ねーぶる。(プロフ) - 高評価ありがとうございます! 恐れ入りますが、この小説は名前固定(オリキャラ)とさせていただいてます。それでもよろしければ、引き続きお楽しみください♪ (7月25日 8時) (レス) id: 6d62d65eb7 (このIDを非表示/違反報告)
なでこここ - めっちゃ面白いです!!名前変換だけできてない箇所があるので直してくださると嬉しいです🥺💕 (7月25日 6時) (レス) @page3 id: bdaf2286ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねーぶる。 | 作成日時:2023年7月3日 13時