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秋口だというのに、未だ気温は30度を超えている。
そんな猛暑の中で生徒たちは懸命に振り付けを練り、踊っていた。
直射日光を浴びないから良いという問題ではない。
体育館中の窓という窓を開け放っても入ってくるのは熱風だけ。例えるならサウナ状態だ。
「いったん休憩! みんな、水分と塩分補給してー!」
体育教師から小休止の号令がかかる。
熱中症の騒がれる時期であるから、体育の時間は水筒や塩飴の持ち込みが許され、こまめに休憩時間を取るようになっている。
「水分……水分……」
沙夜はゾンビみたいな動きで、水筒の置いてある壁際に向かった。
ところが、次第に視界が狭くなっていく。
床が急に沈んでいく感覚に襲われ、距離感が掴めず、真っ直ぐ歩けなくなる。
水筒に伸ばした手は空を切り、ついに沙夜はその場にへたり込んでしまった。
「沙夜⁉︎」
振り向いた一護が声をかけた時には、沙夜の意識は闇に沈んでいった。
倒れ込んだ沙夜の周りにはどんどん人が集まるが、慌てるだけで話にならない。
運の悪いことに、養護教諭は出張中で保健室は閉まっている。
一護は野次馬を押し退け、沙夜を抱き上げて風の通る窓際へ運んだ。
平子はその様子を意味ありげな眼差しでじっと見つめていた。
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kocha28012(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続編待ってます! (12月30日 1時) (レス) @page44 id: a73870853f (このIDを非表示/違反報告)
ねーぶる。(プロフ) - 高評価ありがとうございます! 恐れ入りますが、この小説は名前固定(オリキャラ)とさせていただいてます。それでもよろしければ、引き続きお楽しみください♪ (7月25日 8時) (レス) id: 6d62d65eb7 (このIDを非表示/違反報告)
なでこここ - めっちゃ面白いです!!名前変換だけできてない箇所があるので直してくださると嬉しいです🥺💕 (7月25日 6時) (レス) @page3 id: bdaf2286ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねーぶる。 | 作成日時:2023年7月3日 13時