38 ページ39
虚圏から一護が帰還し、さらに夜一と浦原も加勢するがまるで相手にならない。
そればかりか､藍染と崩玉の融合を加速させてしまうのだった。
果たして､虚の力から生まれた無効化が、崩玉に通じるのか?
傷付き倒れていく死神たちを前に、沙夜は自らの力すら疑う。
「穿界門を開け｡ 尸魂界の空座町へ侵攻する」
ギンにより穿界門が開かれる。
破面はとうに見捨てられている。
殺す価値もないといった風に、藍染は沙夜に一瞥もくれず、すぐ横を通り過ぎた。
「君はここへ置いていく｡ 君を喰らうのは全てが終わった後でいい」
地面に倒れ伏す一護に、藍染は余裕綽々の笑みさえ浮かべて言った｡
進化を重ねた藍染の顔は、より虚に近付いていた。
沙夜は2人を追い、重い足を引きずって尸魂界へと飛んだ。
尸魂界には不釣り合いな、青々とした美しい緑が広がる。
現在の藍染は、そこにいるだけで並大抵の人間の存在を崩壊させてしまう。
その影響で、空座町はゴーストタウンと化していた。
「……君もいたのか。まあ、せっかくだからじっくり見ていくといい。自分の生まれ育った町が消えていく様は壮観だろう」
「……」
何も答えない代わりに、拳を強く握りしめる。
爪が食い込んで血が滲んだ。
町を歩いていると、懐かしい空座第一高校の制服が目に入った。
たつきに浅野と見知った顔が現れ、沙夜は眉間に皺を寄せる。
「大したものだ。これだけ近付いても存在を保っていられるとは」
無論、藍染は興味を示す。
「え……あんた沙夜だよね? 左目どうしたの?」
「……?」
幼馴染の縁ゆえか、霊力がなくとも、たつきは一目で沙夜のことを見抜いた。
一方、浅野たち男子は覚えていないようで、異形の女に話しかけるたつきに奇異の眼差しを向けていた。
後者の方が自然な反応ではあるが、今となってはあまり頭に入ってこない。
危うく殺されそうになるたつきたちだったが、乱菊が割り込んだおかげで難を逃れた。
ギンはすぐに彼女を連れてその場を離れる。
当然と言えば当然だった。彼が企てている作戦は彼女のためにあるのだから、最前線に本人の姿があってはならない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kocha28012(プロフ) - めっちゃ面白かったです！続編待ってます！ (12月30日 1時) (
レス) @page44 id: a73870853f (このIDを非表示/違反報告)
ねーぶる｡(プロフ) - 高評価ありがとうございます! 恐れ入りますが､この小説は名前固定(オリキャラ)とさせていただいてます｡それでもよろしければ、引き続きお楽しみください♪ (7月25日 8時) (レス) id: 6d62d65eb7 (このIDを非表示/違反報告)
なでこここ - めっちゃ面白いです！！名前変換だけできてない箇所があるので直してくださると嬉しいです🥺💕 (7月25日 6時) (レス) @page3 id: bdaf2286ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねーぶる｡ | 作成日時：2023年7月3日 13時
