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渦潮の中から現れた人魚姫を、平子は愛おしげに見つめる。
「綺麗なもんやな」
「……っうざい!!」
 混乱した沙夜が杖を振り回すと、四方八方から水柱が噴出した。
 滴一滴でも風穴を空ける威力だ。まともに食らえば……想像に難くない。
 刀剣解放した沙夜は、足が動かなくなる。無理に歩こうとすると、串刺しにされたような痛みが走る。
 したがって、固定砲台よろしく遠距離攻撃で相手を寄せ付けない戦法が主体となる。
 平子は襲い来る激流を避けながら、この水にも無効化能力があることを悟った。
 おかげで斬魄刀が解放できないが、彼にとっては大した制約ではなかった。
 彼はただ、沙夜に触れたいだけなのだから。

「来ないで!」
「それはできん相談やな。好きな女が死にそうやのに、黙って見とられるか!!」
「……っだから、私は死んでるんだって! あなたの見てる沙夜はもういないの!」
「わけわからんこと言うな! 虚とか人間とか関係あらへんわ。俺は”本城沙夜”を見とんねん!」
 平子は水圧を逆用して、トランポリンのように水を蹴り、一気に沙夜のもとへと跳んだ。
 足の自由が利かない沙夜は、回避の姿勢も取れず固まってしまう。
 しかし、平子の手が沙夜に届くことはなかった。
 
 ――途端に息が出来なくなる。
 意識の外から現れた巨大な泡・深海檻《アクアプリズン》が平子を包み、動きを封じていた。
 機動力に欠けるとはいえ、まったく近距離攻撃の手段がないわけではない。
 例えば、こうして深海檻で相手の動きを封じている時、あるいは相手から距離を詰められた時にチャンスは訪れる。
 腰を低く落とし、杖を倒して居合の構えをとる。
 杖には刀が仕込まれているので、近距離戦も問題なくこなせるというわけだ。
 キャビテーションにより推進力を増した抜刀は、視界に収める事すら困難を極める。
 突き出された刃が平子の肩口と二の腕を刺し穿つ。
 そして、返す刀がガラ空きの胴体を狙って振り下ろされた。

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設定タグ:BLEACH , 平子真子 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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kocha28012(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続編待ってます! (12月30日 1時) (レス) @page44 id: a73870853f (このIDを非表示/違反報告)
ねーぶる。(プロフ) - 高評価ありがとうございます! 恐れ入りますが、この小説は名前固定(オリキャラ)とさせていただいてます。それでもよろしければ、引き続きお楽しみください♪ (7月25日 8時) (レス) id: 6d62d65eb7 (このIDを非表示/違反報告)
なでこここ - めっちゃ面白いです!!名前変換だけできてない箇所があるので直してくださると嬉しいです🥺💕 (7月25日 6時) (レス) @page3 id: bdaf2286ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねーぶる。 | 作成日時:2023年7月3日 13時

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