34 ページ35
唐突に現れた仮面の軍勢に、死神たちは敵か味方か判断しかねて当惑する。
「いつから沙夜は君の女になったのかな、平子真子」
「やかましい。いちいち揚げ足取んなや、ホンマに嫌味な奴やの……ちゅうか、お前なんぞが気安く沙夜の名前呼ぶな。 キショいねん」
「平子真子……やはり現世に身を潜めておったか」
山本総隊長は、己の前に立つ平子に問いかける。
「今はおぬしらを”味方”と捉えていいのか?」
「そんなもん……決まってるやろ。アカンわ。俺らは藍染の敵、ほんでもって一護の味方……ほんで、沙夜の家族や」
仮面を被った平子たちは、刀を抜き、押し寄せる大虚を軽々斬り裂いていく。
鮮やかな剣さばきに死神たちは半分見惚れていた。
「どや? 随分虚化を使いこなすようになったもんやろ……藍染。終いにしようや」
藍染に斬りかかる平子だが、東仙が割り込んでその刃を受け止める。
そして、反撃に振るわれた切っ先が平子の額を掠めた。
「外したか」
「アホ言え、当たっとるわ」
そこで、狛村が手負いの平子の前に立つ。
仮面の軍勢を率いて大虚を次々倒していく姿を見て、味方と判断したのだ。
そこに檜佐木も加わり、東仙は完全に彼らへ矛先を変えた。
東仙の相手は狛村たちに任せ、平子は沙夜と相対する。
気まずさに視線を逸らす沙夜に対し、平子は彼女から目を逸らさない。
「遅くなってすまんな……帰るで、沙夜」
「……嫌だ」
「はあ? わがまま言いなや!」
「まあまあ、沙夜ちゃん嫌がってはるやん」
「部外者は黙っとれ!! 大体、嫌がる沙夜を攫ったんはそっちやろが!!」
「……いい加減にして」
泣きそうな顔で、刀の柄に手をかける沙夜。
心臓があったなら、口からまろび出そうなほど脈打っていただろう。
「お願いだから、私に刀抜かせないでよ」
「俺かてお前と戦いたないわ」
実際、平子は構えることすらしていない。
「あなたの助けなんかいらない!! 佇め……彼岸幽景!!」
激情した沙夜は抜刀し、解号する。
主の感情に呼応するように、激しい渦潮が巻き起こった。
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kocha28012(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続編待ってます! (12月30日 1時) (レス) @page44 id: a73870853f (このIDを非表示/違反報告)
ねーぶる。(プロフ) - 高評価ありがとうございます! 恐れ入りますが、この小説は名前固定(オリキャラ)とさせていただいてます。それでもよろしければ、引き続きお楽しみください♪ (7月25日 8時) (レス) id: 6d62d65eb7 (このIDを非表示/違反報告)
なでこここ - めっちゃ面白いです!!名前変換だけできてない箇所があるので直してくださると嬉しいです🥺💕 (7月25日 6時) (レス) @page3 id: bdaf2286ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ねーぶる。 | 作成日時:2023年7月3日 13時