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藍染の元には、先にギンや東仙、十刃の生き残りが集まっていた。
その中にはハリベルの姿もある。
「また会ったな、沙夜」
襟で口元は隠れているが、微笑んでいるのがわかった。
騙されている彼女が哀れでならない。
沙夜は複雑な面持ちで彼女を見ていた。
最高戦力が集うと、藍染は東仙に天挺空羅を命じる。
虚夜宮にいる死神全員に藍染の声が届く。
「聞こえるかい? 侵入者諸君。 これより我々は現世へと侵攻を開始する。
井上織姫は置いていく。助けたければ奪い返しにくるがいい。彼女は最早用済みだ。
彼女の拉致は尸魂界に危機感を抱かせ、現世ではなく尸魂界の守りを固めさせる手段たり得た。彼女たちの拉致は死神を虚圏へとおびき寄せる餌」
「だが、本城沙夜は破面……君たちのもとに戻ることはない。君たちは全てが終わってからゆっくり相手をしよう」
同級生たちと仮面の軍勢を除けば、自分の存在を知る者は現世にいない。
その未練のなさが、沙夜の破滅的な作戦を加速させた。
現世に向けて暗い道を進んでいく。
外に出れば、目が眩むほどの白い光が視界を覆った。
「どうやら……間に合ったようじゃな」
「間に合った? 一体何をもってその言葉を発している?」
空座町には、既に護廷十三隊の副隊長や隊長が揃って待機していた。
「皆、退がっておれ。万象一切灰塵と為せ、流刃若火‼︎」
山本総隊長が斬魄刀を解放し、藍染たちは炎に包まれて動きを封じられる。
藍染は毛ほども焦らず、側に控える破面たちに戦いを委ねた。
やがて、ワンダーワイスが呼び出した破面が流刃若火の炎を吹き飛ばす。
藍染たちの周りには、死闘続きで疲弊した死神が倒れ、地獄絵図を作り出していた。
「終わりだ……本当に……!」
絶望した吉良が震える声で呟く。
その時だった。
「待てや。久しぶりやなぁ藍染……誰の女拉致っとんねん。 はよ返さんかいボケが」
よりにもよって、目の前に今最も会いたくない人が現れた。
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kocha28012(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続編待ってます! (12月30日 1時) (レス) @page44 id: a73870853f (このIDを非表示/違反報告)
ねーぶる。(プロフ) - 高評価ありがとうございます! 恐れ入りますが、この小説は名前固定(オリキャラ)とさせていただいてます。それでもよろしければ、引き続きお楽しみください♪ (7月25日 8時) (レス) id: 6d62d65eb7 (このIDを非表示/違反報告)
なでこここ - めっちゃ面白いです!!名前変換だけできてない箇所があるので直してくださると嬉しいです🥺💕 (7月25日 6時) (レス) @page3 id: bdaf2286ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねーぶる。 | 作成日時:2023年7月3日 13時