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虚夜宮中に大小さまざまな霊圧が飛び交う。
 初めこそ石田・茶渡・一護だけだったが、続々と種類が増えていく。 尸魂界から応援が到着したのだ。
 だが、それもいつまで保つかわからない。

 次第に一護の霊圧が近付いてくる。
 彼から放たれる戦闘意志に応じるように、ウルキオラも霊圧のもとへ向かっていく。
 沙夜は無意識のうちに彼の腕を掴んでいた。
「……なんだ」
 ウルキオラの病的なまでに白い手は、寒気がするほど冷たい。
 それでも、沙夜は手を離そうとしない。
 ウルキオラもまた、振り解くことはなく、次の行動を待った。
 思えば、こうして触れ合うのは初めてだ。
 この後の戦いでは、どちらかが命を落とすことになる。そんな予感があった。
“さよなら”なんて別れの言葉も、”死なないで”なんて引き止める言葉も、2人の間には似合わない。
 ひたすら言葉を探して、
「行ってらっしゃい」
 ただそれだけ声をかけた。
 ウルキオラの姿が一瞬にして消える。
 手が離れる正にその時、彼が僅かに目を細めたのを、沙夜は見逃さなかった。

「沙夜ちゃん!」
 背後から織姫に声をかけられた。
 隣には石田と茶渡の姿もある。身なりはボロボロだが、なんとか合流できたようだ。
「一緒に行こう!!」
 織姫が手を伸ばす。
 しかし、沙夜はその手を取らない。
「……ごめん、井上さん。そっちには行けない」
「なんで……っ、沙夜ちゃん⁉︎」
 響転《ソニード》を使い、瞬時にその場を離れる。
 彼女が零したあまりにも切なげな笑顔が、織姫の目に焼き付いて離れなかった。

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設定タグ:BLEACH , 平子真子 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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kocha28012(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続編待ってます! (12月30日 1時) (レス) @page44 id: a73870853f (このIDを非表示/違反報告)
ねーぶる。(プロフ) - 高評価ありがとうございます! 恐れ入りますが、この小説は名前固定(オリキャラ)とさせていただいてます。それでもよろしければ、引き続きお楽しみください♪ (7月25日 8時) (レス) id: 6d62d65eb7 (このIDを非表示/違反報告)
なでこここ - めっちゃ面白いです!!名前変換だけできてない箇所があるので直してくださると嬉しいです🥺💕 (7月25日 6時) (レス) @page3 id: bdaf2286ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねーぶる。 | 作成日時:2023年7月3日 13時

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