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目を覚ますと、ウルキオラの霊圧の名残があった。
不気味でたまらなかったはずの霊圧だが、こうして残滓を感じていると、不思議と不快ではなくなっていた。
始終暗闇の虚圏に朝の概念はない。
したがって、次第に昼夜の感覚がなくなっていく。
廊下を歩いている途中、どこからか女性の声が聞こえてきた。
声をたどった先、虚夜宮の中庭では、金髪褐色の美女が一心不乱に剣を振っている。
「隠れてないで出てきたらどうだ」
壁に隠れてこっそり観察していると、向こうはあっさりこちらの存在に気付いた。
と言っても、沙夜の霊圧がダダ漏れだったせいだが。
「お前は……ウルキオラの従属官か。名は?」
「本城沙夜です……」
「沙夜か。私は十刃No.3、ティア・ハリベルだ。すると、お前がウルキオラに手傷を負わせたという破面か」
「な、なんですかそれ!?」
「知らないのか? 虚圏中で噂になっているぞ。あの男に傷を付けられる者などそういないからな」
おそらく藍染の仕業だろうが、情報の速さに戦慄する。
「いずれにせよ、噂の破面と会えて光栄だ。手合わせ願おう」
沙夜は息を呑んだ。十刃という組織の実態はわからないが、ハリベルの強さは霊圧の濃さからなんとなく見て取れた。
「そう構えるな。斬魄刀の訓練の応用だ。私からは一切攻撃しない。お前の帰刃を見せてくれればそれでいい」
「帰刃?」
「またの名を刀剣解放といって、斬魄刀に封じた虚本来の力を解放する奥義だ。方法はお前も知っているはずだぞ」
では始めよう、とハリベルは剣を構える。
沙夜はわけもわからず、ただ斬魄刀を手に飛び出していった。
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kocha28012(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続編待ってます! (12月30日 1時) (レス) @page44 id: a73870853f (このIDを非表示/違反報告)
ねーぶる。(プロフ) - 高評価ありがとうございます! 恐れ入りますが、この小説は名前固定(オリキャラ)とさせていただいてます。それでもよろしければ、引き続きお楽しみください♪ (7月25日 8時) (レス) id: 6d62d65eb7 (このIDを非表示/違反報告)
なでこここ - めっちゃ面白いです!!名前変換だけできてない箇所があるので直してくださると嬉しいです🥺💕 (7月25日 6時) (レス) @page3 id: bdaf2286ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねーぶる。 | 作成日時:2023年7月3日 13時