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闘技場のような場所に移動すると、ウルキオラは虚を呼び出した。
その個体は、いつか沙夜が戦ったものと同じ、下等な“破面もどき“だった。
「まずは小手調べだ。コイツを倒してみろ」
「沙夜ちゃん……頑張って」
織姫は部屋の隅で両手を組み、祈っていた。
斬魄刀を抜いたところに、虚の大きな手が振り下ろされる。
沙夜はこれを横っ跳びに跳んで躱し、虚の足元に潜り込み、膝から下を袈裟がけに斬り落とした。
支えがなくなった虚はそのまま前のめりに倒れ込む。
超速再生が発動せず、虚の両足はいつまで経っても生えてこない。
虚はもがきながら虚閃を撃ち出す。
沙夜は両足を踏み込んで高く跳び上がると、回転しながら虚の胴体を斬り裂いた。
そして、虚は灰となり消えていった。
「……良いだろう。次は俺の番だ」
ウルキオラが斬魄刀を抜くと同時に霊圧が高まり、沙夜は一瞬気圧されてしまう。
それまでの一方的な戦いから電撃戦に切り替わる。
破面もどきとは違い、ウルキオラは動きに一切の隙がない。
斬りかかってくるのを受け止めるので精一杯だった。
「守るだけでなく攻めてこい」
「くっ……!」
そこで、沙夜は振りの大きい斬撃から突きと体術に切り替える。
刺突、躱して脛蹴り、みぞおちに掌底、弾く弾く、詰める、刺突。
瞬時の戦術変化さえものともせず、ウルキオラはその中から、もっとも殺傷能力の高い斬魄刀の攻撃を集中して防ぐ。
もはや無謀とさえ呼べるレベルのゼロ距離戦闘は、純粋な反射神経だけで行われている。
織姫には2人の動きが見えず、ぽかんと口を開けて眺めることしかできない。
刀の切っ先がウルキオラの手の甲をかすめた時、刀を持つ右手を掴まれ、沙夜の視界がぐるりと回った。
再び目を開けた時には、ウルキオラの顔が間近に迫っていた。
首筋には彼の斬魄刀が当てられている。
「そこまでだ。なかなか筋は良い」
「……それはどうも。あと離してください」
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kocha28012(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続編待ってます! (12月30日 1時) (レス) @page44 id: a73870853f (このIDを非表示/違反報告)
ねーぶる。(プロフ) - 高評価ありがとうございます! 恐れ入りますが、この小説は名前固定(オリキャラ)とさせていただいてます。それでもよろしければ、引き続きお楽しみください♪ (7月25日 8時) (レス) id: 6d62d65eb7 (このIDを非表示/違反報告)
なでこここ - めっちゃ面白いです!!名前変換だけできてない箇所があるので直してくださると嬉しいです🥺💕 (7月25日 6時) (レス) @page3 id: bdaf2286ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねーぶる。 | 作成日時:2023年7月3日 13時