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平子は重い足を引きずり、アジトに帰ってきた。
「おかえり……どうしたんだい? その右手。怪我してるじゃないか」
「……ちょっとな」
「沙夜帰ってきとらん!?」
 顔色の悪い平子を皆が不思議に思っていると、リサが慌てて駆け込んできた。
「沙夜? 帰ってねえぞ。なんだアイツ迷子になったのか」
「真子、沙夜どこ行ったか知らへん? 急に霊圧がなくなったんやけど」
「……沙夜は、破面に攫われた」
 一同に衝撃が走る。
 平子は顔を覆い、フラフラとその場にしゃがみ込む。
「すまん、俺のせいや……」
 いつも口より先に手が出るひよ里も、平子の憔悴ぶりを察したか、責め立てようとはしなかった。
「……とりあえず状況を説明してくれ」
 それから平子は、起こったことを全て話した。
 平静を装いつつも、平子の心には怒りの炎が燃え上がっている。
 藍染に対する怒り以上に、自分の不甲斐なさを責め続けていた。
 このまま放置すれば、今にも藍染に殴り込みをかけそうだ。
 それを見透かしたか、ひよ里は両手を平子の頬に強く押し付ける。
「落ち着け真子。 ウチらがすべきことはなんや?」
 沙夜が攫われて辛いのは平子だけではない。
 平子の号令1つで、仮面の軍勢はいつでも沙夜を取り戻しに行く用意がある。
 ただ、そうしてしまえば空座町の守りが手薄になってしまう。
 藍染の目的はあくまで空座町侵攻である。 仮面の軍勢が揃って敵の本拠地に乗り込むのは得策ではない。
「真子、アンタなんでも1人で抱え込みすぎや。こういう時ぐらい他人に頼ってみてもええんちゃう? ……一護がおるやろ」
 その言葉で、平子の脳内は急速に冴えていった。
「……せやな。すまん、熱くなりすぎたわ」
「本当だよ。頼むぜリーダー」
 そうだ、一護がいるではないか。沙夜を失いたくないあまり、視野が狭くなっていた。
 凝り固まった尸魂界に新しい風を取り込んだ彼を、沙夜を忘れないでいてくれたあの青年を……信じてみよう。
 そして、平子は再び立ち上がった。

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設定タグ:BLEACH , 平子真子 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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kocha28012(プロフ) - めっちゃ面白かったです!続編待ってます! (12月30日 1時) (レス) @page44 id: a73870853f (このIDを非表示/違反報告)
ねーぶる。(プロフ) - 高評価ありがとうございます! 恐れ入りますが、この小説は名前固定(オリキャラ)とさせていただいてます。それでもよろしければ、引き続きお楽しみください♪ (7月25日 8時) (レス) id: 6d62d65eb7 (このIDを非表示/違反報告)
なでこここ - めっちゃ面白いです!!名前変換だけできてない箇所があるので直してくださると嬉しいです🥺💕 (7月25日 6時) (レス) @page3 id: bdaf2286ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねーぶる。 | 作成日時:2023年7月3日 13時

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