騎馬戦 ページ29
「…あいつ、なんか可笑しいぞ。いくら強ぇーとは言えど周りが目の前で硬直するなんて変だ。」
…確かに。先ほどから取られていった騎馬たちはみんなヤローの目の前に来たら動くのを止めてその場で硬直している…。いくら生徒会長の威厳があっても動かないのは可笑しくないか?
ヤローに向かっていった騎馬たちは呆気なくハチマキが取られていった。
「…余裕余裕。こんなの僕なら楽勝だね?」
いつの間にか私たちの目の前まできていた。
「…"ハチマキ"、僕に"くれよ"。」
…ヤローがそう言うと爆寨くんは硬直した。
《おおっと!!??ここで1年が動きを止めたぁ!?》
…そして次第に爆寨くんの手には自身につけていたハチマキを自ら取り、ヤローに渡そうとする。
『バカ!!!…なにあげようとしてんだよ!』
辛うじて右手の代わりに右肩で騎手を支え、その右手でばちんと爆寨くんの膝を叩いた。
その瞬間、爆寨くんはハッとしたような顔をして今まさに渡そうとした手を引っ込ませた。
「…あっぶねっ…!!!」
「…あれ?くれないんだ…。可笑しいな…大体の皆はくれるんだけどな…。」
予想通りにいかなかったヤローは首をかしげた。
《何だかよくわからないが、1年危機回避だ!》
「ひとまず、一旦この場を離れるぞ!」
このままだとまたあのようなことになりかねない。
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作者名:アマミヤ | 作成日時:2023年8月18日 11時