． ページ15
｢･･･あれ｣
こんなところにいるとは珍しい。誰か探しているのだろうか。ショッピくんはきょろきょろ辺りを見回していた。
ばちっ、と目が合う。慌てて逸らしても、彼は私の方へ向かってきていた。
｢教科書借してくれへん！？｣
｢え、いいけど･･･｣
あっさりOKを出すとショッピくんはほっとしたように表情を緩ませた。
｢他に借りれる子いなかったの？｣
わざわざ気まずいだろうに私に貸してもらいにくることもない。
｢みんな忘れてた｣
そっか、と相槌を打って教科書を手渡す。
｢はい｣
｢あざす｣
そう言ってからも、ショッピくんは自分の教室に戻らなかった。
｢他になんか用？｣
｢いや、･･･あの。･･･今日、一緒にお昼とか食べられんかなって、思って｣
｢･･･お昼？｣
なんで、このタイミングで？
｢私、チーノくんと食べる予定だったんだけど｣
｢話したいことがあるんや、どうしても｣
話したいこと、の検討がつかなくてどうするか少しの間考え込む。
｢･･･やめとく｣
｢･･･なんで？｣
だって、これ以上期待しちゃいけない。ショッピくんと私は、もう何も関係がない。
｢とにかくいやなものはいや｣
｢お願い、明日でも明後日でもいいんや｣
｢やだってば｣
断り続けても、ショッピくんはしつこく食い下がる。
｢頼むから｣
｢･･･いい加減にして｣
はっきり拒絶しようと向き直ると、上から声が降ってきた。
｢ショッピ、何してん？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 601人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まかろん - Q広島焼き? うちの県の名物や〜！（てかうちの県のやつｗｗｗ） (2023年3月25日 23時) (
レス) @page20 id: 0b9bf29afb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘宮
| 作成日時：2022年8月22日 22時
