年に一夜の恋模様 third

八十三章 ページ15

志麻side







泣いてる…？Aが…





ｸﾞｲｯ




坂｢泣いとるん？……A。｣ﾖｼﾖｼ





坂田はAをひきよせ、頭を優しくなでた。その刹那、Aの涙に反応した星々。光りだして、弧をえがく。そのままAを包んでいく。Aは坂田から離れてこういった。





貴｢もう行かないといけない…。私は夢から…嘘から覚めなきゃいけない。｣





浦｢俺たちにとっては Aのこと夢でも嘘だとも思ったことはない｣





セ｢Aは…そう思ってるんか…？｣




貴｢私ね、楽しかったよ。｣




話を続けずに違う話をしだすA。それを黙って聞く俺たち。





貴｢9…まずはセンラさん。センラさんは私を一番最初に見つけてくれたよね。私が記憶喪失だと勘違いしてたみたいだけど私は何にも言えてなかった。ごめんね。いつもおっとりしてて、私の世界でいう京都弁を使ってたね。温厚で優しくて、そんな貴方からは思いやりをもらった。ありがとう …8｣




Aが静かに数字を溢している。8に込められた意味ってなんかあるんかな？




セ｢…いや、こちらこそ勘違いしてごめんな。いつもありがとう。…大好きやで(ﾎﾞｿｯ｣





センラさんが呟いた言葉にAは気づいているのかいないのか、でも笑顔でいる。

八十四章→←八十二章

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す