赤い賢者に言葉を教えよう！ 【あ/ほ/の/坂/田】

おまけ ページ41

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　｢なぁA｣

　｢はい、なんですか？｣

坂田さんの実験の手伝いをしていると、早速休憩時間に入った。まだ手伝って十分しか経っていないけれど、坂田さんは三時間休憩なしに研究していたから流石に疲れたのだろう。この人は時々オールして研究して、次の日にぶっ倒れるということがよくあるから、こうやって休憩をとってくださるのはとても有り難いことである。


　｢どこ見てるん｣

　｢す、すみません…考え事してました｣


私の視線の先には偶然志麻さんが居て、それに気が付いたのか坂田さんはふいっとそっぽを向いてしまった。坂田さんは可愛い人だとずっと思っていた。でも。


　｢…まーしぃのこと、好きなん｣


それよりずっと可愛かった。


　｢そんなわけ…｣

　｢お、俺が告白したときも結局返事くれへんかったし！｣

　｢え、えぇ…｣


呑気に坂田さん可愛いなんて考えていたら話は思わぬ方向へと飛んでいった。それもこれも話を聞かずよそ見していた私が悪いのだけれど、二次被害が酷い。


　｢俺のこと好きじゃないやろ！｣

　｢そっ、そんなことないです！｣

　｢ほら！！！！好きですなんて言ってくれへんやん！！！｣

　｢…た、態度で示す派なんです！！！｣


何個もビックリマークがつくほどの大音量で言い合いする私達を見て、片手で片耳を押さえながら珈琲を入れて、うんざりとした顔で部屋を出ていく志麻さんを見る。ごめんなさい。そうやってぺこりと礼をすると、志麻さんは憐れみの視線を投げて出ていった。


　｢ほら！！！またまーしぃのほう見てるやん！！｣

　｢誤解ですって！！！違います！！！｣

志麻さん、先程部屋出ていきましたけど。
助けてください、ヘルプミまーしぃ。

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