検索窓
今日:1 hit、昨日:24 hit、合計:188,388 hit

episode.24 ページ24

.




森の入り口で降り立つと、すぐに彼らは人間に戻った。



 「この事は誰にも言うなよ」

 「言っても信じない、絶対に」



森から一歩出ただけであれだけのギャラリーが出来るのだ。そんな弁解したところで、私が恥ずかしい目に合うだけだろう。既に取り囲まれている三人を遠目で見つめて、苦笑いをした。


すると隣にいた浦田さんは、いつの間にか中央ステージに移動していたらしく、ギャラリーもどんどんそっちに流れ込んでいっている。


 「さて、皆さんお菓子は貰えましたか?」

 「貰えなかったでーす!」

 「きつい仕打ちってなんですかー?」



楽しそうにきゃっきゃっと声をあげている少女たちを哀れみの視線で見つめると、後ろから肘で小突かれた。



 「でも、残念やったな、君も」

 「私も?…ていうか、あなたたち誰?」

 「あ、自己紹介まだやったか。 俺は志麻。さっき見た通りアーミーゾンビや」

 「僕はセンラやで。さっきの通り僵尺や」



丁寧に自己紹介をし、礼をする二人には何処と無く品と色気があり、簡単に女性が落ちる意味も分かる。私の好みじゃないけれど。



 「で、さっきの残念やったなと言うのは?」

 「今回のコンセプトは求婚パーティーや」

 「求婚って、結婚の?」

 「表向き、わな。



ほんまは、魂を吸いとるほうの吸魂やけど」



そう言ってにやりと笑ったセンラさんから、仄かに甘い香水の匂いがした。まるで、センラさんに深く深くじっとりと愛されて殺されてしまうような匂いだった。

episode.25→←episode.23



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (169 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
546人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , ハロウィン   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ハゲつるマン@19830617(プロフ) - 雪華さん» すみません、間違えていました、指摘ありがとうございます! これからもこんな作者ですがよろしくお願い致しますね! (2019年1月17日 18時) (レス) id: ca77629a28 (このIDを非表示/違反報告)
雪華(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。ストーリーが面白くて好きです!あと、捕食者って食べる側なので被食者がただしいのではないでしょうか? (2019年1月17日 0時) (レス) id: f84b103640 (このIDを非表示/違反報告)
ハゲつるマン@19830617(プロフ) - ちゃちゃるさん» ありがとうございます! (2018年11月3日 13時) (レス) id: ca77629a28 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃる(プロフ) - 今作もとても面白いです!!続き楽しみにしてます♪ (2018年11月3日 13時) (レス) id: 461b4b0bb6 (このIDを非表示/違反報告)
ハゲつるマン@19830617(プロフ) - 笑笑 ハロウィンナイトは明日ですよ!(あと一時間半) (2018年10月30日 22時) (レス) id: ca77629a28 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ハゲつるマン@19830617 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年10月23日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。