安室さんの親戚になりました。4

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Aside

初めて人を殺したのは、いくつの頃だっただろうか。

私はほとんど外に出ることなく、家の中で育てられていた。

外には怖いものが沢山あるから、大きくなるまで出ちゃダメだと、そう聞かされていたのだ。

学校というものにも行ったことはなく、勉強は、両親や兄ちゃんが教えてくれた。



家はそんなに広くなかったけれど、テレビもあったし、兄ちゃんが沢山本を買ってきてくれていたから、退屈じゃなかった。

運動する時だけは、周りが見えないようにされた車で、誰もいない山奥に行ったりしたから、運動神経だけはよかった。



母さんと兄ちゃんは私にいつも優しかった。

普段、両親と兄ちゃんは一緒に仕事に出かけているけれど、帰ってきたら勉強を見てくれて、よく出来ましたと褒めてくれた。



『まあ、偉いわねA』

『えへへっ』

『兄ちゃんも、Aに負けないようにしないとな』

『兄ちゃんの方が私よりすごいに決まってるよ！』



私より大きくて、外に出てもいい兄ちゃん。

いつも優しくて笑顔の母さん。

そんなふたりが、私は大好きで、尊敬していた。




父さんは、少し怖かった。

たまに、母さんと父さんが言い争いをしているのを聞いた。



『外に出すべきよ。ちゃんと学校にだって…』

『うるさい！もうここまで来て、今からどうやって学校に通わせるんだ！もう無理だ！』

『そんなことないわよ！あの子だけは普通の世界で育てようって、あれほど……』



何の話かはわからなかったけれど、優しい母さんに怖い顔をする父さんが、苦手だった。


でも、私に対しては、父さんも優しかったから、怖い父さんのことは見ないふりをした。



家族はみんな、私に優しかった。

大好きだった。

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