お前は裏切るなよ

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〔んじゃ、明日の午前8時、駅前の広場に集合な。来なかったら許さねーから〕


あの後、五条の迎えのリムジンが来て、別れる前にそんなことを言われた。

正直に言おう。
俺は推しの壁になりたい派だ。
断じて夢主願望は持っていない、断じて。

だから直接的な関係を持つのは嫌だった。


だけどあの五条悟だよ？

逃げ切れるかっての。無理ゲーだって。


しかも連絡先交換させられたし、最悪。



てか何の為に明日会うんだよ。



『私服…でいいのか？』


いや、私服じゃねぇと学生ってバレるな、忘れかけてたけど一応今日受験日だし。

…本来なら俺も行くはずだったんだけどな。


クローゼットを開いて、ふと昨日の出来事を思い出した。



『やっぱ、両親はこっちでも善人の中の善人だったな』


両親に、昨日、いじめのこと、呪いっていうものが見えること、その他諸々話した。

いじめに関してはそれはもう激怒してくれたし、なんで頼ってくれなかったのかと泣きながら怒られた。
俺も久々に泣いた。

呪いのことは、普通だったら、こんな嘘のような話なんて信じてくれないかもと不安だったが、両親は最初こそ戸惑っていたものの、俺のことを信じてくれた。

今日の受験を受けないことも、特に理由を聞くこと無く了承してくれた。


テキトーにデニムジーンズと淡紅色のパーカーを着て玄関に向かった。

白いスニーカーを履いて玄関のドアに手をかける。


『行ってきます』

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