20/02/14 乱数「今日は☆」「乱数さんバースデー、そしてバレンタイン!」乱数「チョコが甘いなんてダメだ決めつけちゃ☆」「まあ苦いチョコもあるよね」 ページ6
高校に入ってはじめてのバレンタイン。
今年ははじめて合歓と友チョコも交換するので、張り切って準備しようと材料を買いに来た。
の、だが
「あの人……」
細い路地裏。
薄暗くて、私がその人に気付いたのは奇跡に近いかもしれない。
その人の白いトレーナーは少し破けていて、その奥に見えるのは、まるで、機械の内部のような……
「っ!?」
その人、が、私をぎろりと睨んだ。
飴玉がガリ、と音をたてて砕けた。
よくわからないのに、私は、その人に歩み寄っていた。
「(こんなんだからくうにお節介焼きババアなんて言われるんやろなあ)」
なんて呑気に考えながら。
ーー
Aさん16歳のときのお話です
ーー
「……助けなんて、要らない」
ましてやお前になんて
そう、その人は呟いていた。
「やったら、私を一生恨めばよかよ」
そう言いながら、基本のものだけが入った裁縫セットを取り出し、とりあえず破れているトレーナーの場所を縫った。
「うーん……故障? みたいなんの直し方はわからんなあ……」
「ッチ」
中性的でかわいらしい顔に反して、その人の気迫は人を殺しそうだった。
「そや、名前……私、」
「樋泉A」
「……どこかで」
「会ってない。今も、"会ってない"」
「え」
その人は、マイクを取り出した。
「マイク……? それ、」
「ごめんね」
私は気付いたら、薄暗い路地裏に倒れていた。
「……あれ、バレンタインの材料、買いに……え……?」
なにかを、忘れているような。
「……なにも、なかった……?」
忘れてしまっているなんて、きっと、
「……どうでもよかこと、かな」
20/02/14 「はじめて女の子に友チョコあげる……!! 緊張……!!」乱数「そんなに緊張する?」「くうと一郎以外に渡したことなかし」乱数「えっ……陰キャ……?」「許すまじ」→←82 ギャンブラー、元軍人、三兄弟、そして
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鮭ぇ - 最初読んでる時はこんな話だと思わなかったんだが、、。くっっそいい話じゃねえーか、、。完結おめです…ガチ泣きしました!いち。から読みますね!もっかい! (2020年12月13日 13時) (レス) id: b29402340d (このIDを非表示/違反報告)
かっちゃん(プロフ) - 無事、完結おめでとうございます。何気に初コメかも知れません!お話とても面白かったです…!死ネタは少し、地雷な部分もあったのですが、最後まで面白く見させてもらいました…お疲れ様でした! (2020年3月14日 15時) (レス) id: 17dcb00d4a (このIDを非表示/違反報告)
Mad Sick* - いち。から見てます!コメ2〜3回目?名前変えたりよくするのでアレですけど。 (2020年2月29日 4時) (レス) id: e54c8d8ca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 | 作成日時:2020年2月14日 21時