81 獄「つーかシブヤのギャンブラーいなくねぇか?」寂雷「探しにいってます、彼を」 ページ4
「ナゴヤで……バンドやって……しかも18歳のその歳でディビジョンの代表。知ったときはすごくびっくりしたよ」
「自分も、っす……にいちゃんとまさかこんな風に会うなんて……」
十四と話しているのは、恐らく、兄、で、久々の再会。
いや、こんくらい会話でわかるわ。
問題はこいつが誰っつーことで。
「あ、そう、だ……自分、その、受験……にいちゃんに……えっと……」
「おちついてよ、大丈夫。俺は、幼馴染みが居るし。十四こそ大丈夫だったのか……?」
「……自分、は……獄さんと空却さんの、おかげで……」
「……そうか、よかった。にしても背高くてびっくりしたよ」
「このおかげでステージでは結構映えるんすよ」
「あはは、ちがいない」
僕は、ただなにも言わずに、
「……」
その場から立ち去った。
**
独歩side
弟と、再会した。
ネットで少し話題になったりしていたから、V系バンドマン、そしてナゴヤディビジョンであることは知っていたけれど、波羅夷空却の恋人であるAさんとの繋がりまであるとは、そこまで考えていなかった。
「おや、戻ってきましたね」
「おい十四までどこ行ってたんだよ」
Aさんの病室に戻ると、ナゴヤディビジョンの天国獄さんと、見知らぬ黒髪の女性と少年が、先生と共に居た。
「獄さん、自分、やっぱり強くなってました!」
そう笑顔で言った俺の実の弟、十四は、昔の面影はありつつも、なんだか別人のようだった。
「先生、俺の弟です」
「獄さん! 自分の兄っす!!」
親に見放されても、離ればなれになっても、思いが伝わっていなくても、伝える勇気がなかったとしても。
その人にはその人の生き方があって、人生があって。
だから。
ずっとすれ違っていても、もしかしたら、信頼しあっている人も、いるのかもしれない。
「……あの独歩君が泣いてしまうなんてね」
「ったく、なにが強くなってただ、そんなら泣くんじゃねぇ」
「し、失礼しました!! 大人の涙だなんて情けない……弟まで泣かせてしまうのは全部俺のせい俺のせい……」
「こっ、これは嬉し泣きだから仕方ないじゃないっすかぁ〜!!!」
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鮭ぇ - 最初読んでる時はこんな話だと思わなかったんだが、、。くっっそいい話じゃねえーか、、。完結おめです…ガチ泣きしました!いち。から読みますね!もっかい! (2020年12月13日 13時) (レス) id: b29402340d (このIDを非表示/違反報告)
かっちゃん(プロフ) - 無事、完結おめでとうございます。何気に初コメかも知れません!お話とても面白かったです…!死ネタは少し、地雷な部分もあったのですが、最後まで面白く見させてもらいました…お疲れ様でした! (2020年3月14日 15時) (レス) id: 17dcb00d4a (このIDを非表示/違反報告)
Mad Sick* - いち。から見てます!コメ2〜3回目?名前変えたりよくするのでアレですけど。 (2020年2月29日 4時) (レス) id: e54c8d8ca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫 | 作成日時:2020年2月14日 21時