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第7話 ページ9

行き付けのカフェへついた。
ここ、コーヒーすっごく美味しいんだよねー。

「こんにちはー」

明るく、ハイ……って程じゃないけどテンション高めで店内に入る。
ここのカフェは穴場なのもあってそこまで混んではいない。
まあ昼間だからかいつもより混んでるけど。

「久しぶりAちゃん、今日もいつもの?」
「はい。あ、カルボナーラもお願いします!」

いつものようにカウンター席に座ると、オーナーさんが声をかけてくれる。
普段の言葉に一言付け足して、私はベレー帽を外す。
これで変装用品は伊達眼鏡だけになった。
ちなみに、仕事のある日は学校にいるとき以外黒カラコンを装着しているので、眼鏡をかけて隠す必要があるのだ。

……午後4時からは連ドラの撮影がある。
私は主人公の幼馴染み役。
最初は暗い女の子だった少女が主人公に振り向いてもらえるよう努力し始め、変わっていく。だが主人公が好きなのはヒロインで───という、まあありがちなんじゃないかというドラマ。

でも人気があるのは月9ドラマだからだろう。
私の通う学校でも、結構人気のドラマだ。


「はぁ……」
「なんか疲れが溜まってるみたいだね? 相談あるなら聞くよ?」
「あはは、ありがとうございます。大丈夫ですから。」

笑顔でオーナーさんが聞いてくれる。
でも、家族や事務所の人以外に私がjadeであることを知られてはならない。

「……私の息子もさ、溜め込んでばっかりでなかなか相談してくれないのよねー。」
「え? 息子さんいるんですか?」

驚きの事実。
綺麗で若い人だから、子供なんいないと思ってた。
Aちゃんびっくりだよ!

「あれ? 言わなかったっけ? はい、カルボナーラどうぞー。」
「うわぁ美味しそう! じゃなくて! え? 何歳なんですかー? 息子さん!」

差し出された、出来立てカルボナーラ。
うーん、すっごく美味しそう。

「今年で17だよー。Aちゃんも高2って言ってたよね? 同い年かぁ」

おっふまじか、同い年なのね。
驚きながらフォークとスプーンを使ってカルボナーラを食べる。

「私と同い年なんですか。1回、会ってみたいです」

私がカルボナーラを飲み込んでから言うと、オーナーさんはにっこりと笑った。

「……見たことは、あると思うよ。」
「え?」
「ふふ、なんでもないよー」

本当、この人はよくわからない。

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作者名: | 作成日時:2015年2月27日 16時

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