【黒バス】正義のヒーローは現れない。 (ページ8)

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第6話ページ8

「jadeさんいいねー！今度は向こう見つめる感じでお願い！」

カメラマンの指示に従い、jade……
－－私は、左を向く。

カシャ

カメラのシャッター音。
自分だけに集まる視線。
私が一番生きている事を実感する時だ。

「はーいおっけー！今日の撮影はここまでです！お疲れ様でしたー！」

そんな声を聞き、誰にも気付かれることのないよう小さく溜め息を吐く。

「A、お疲れ様。家まで送るわ」

家族以外で唯一……ではないか、社長さんいるし。

「いえ...今日は近くのカフェに寄っていくので平気です。ありがとうございます」

家族以外で二人、私の本名を知っている人の一人であるマネージャーさん、紺野さんの提案をやんわり断る。

控え室へ向かいながら今後の予定を確認し、それが終わると何か用事でもあるのか紺野さんはすぐ帰宅し私は一人控え室に入った。

(あー疲れた。でもやっぱ楽しいな)

なんとなくバッグからスマホを取り出す。
時間を見るとまだ11時。
土曜の午前ほど有意義な時間はない。
気持ちを入れ換えて、私は昼食をどこかへ食べに行くことにした。