第5話 ページ7
「じゃあねー!」
「またなー」
「じゃ。」
どうせ通るから、と言って弘と一哉が送っていってくれた。
5人なのにバイクが4台だったのは、この前一哉がバイクで事故って廃車行きになったから弘が乗せていたからだった。
家に何も言わずに入る。
帰る、とはなんだか違う気がしてならない。
だってここは私の居場所ではないと思うから。
でも今日、やっと見つけた自分の居場所。
クラスメイトのような馬鹿じゃなく、話のわかる頭の良い人。
「……一哉達の学校受ければ良かったな」
やっぱり、現実は上手くいかない。
2次元だったら私は一哉達のいる霧崎第一に入学して運命の出会いを果たしていただろう。
私が今日彼らに出会うまでの時間はなんだったんだ!
無駄な時間を過ごしていた事を再認識する。
ああ、でも良かった。
花宮や瀬戸は私より頭が良い。
自分より頭が良い人初めて会った。
「今日、久しぶりに楽しかったな」
部屋に入り、ベッドに突っ伏す。
今日は本当に楽しかった。
普段は仕事をしている時以外退屈で仕方ない。
起き上がり、バッグから携帯を取り出す。
カレンダーに記入している予定を確認すると『午前撮影、午後ドラマ撮影』と書かれていた
「あ、明日か……」
明日、そして明後日も忙しい。
明明後日は今日と同じく珍しく休みだ。
「……まあ、頑張るか」
今の私は気分が良い。
少し、自分でも驚くくらいには。
「……風呂入ってさっさと寝よう。」
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作者名:紫 | 作成日時:2015年2月27日 16時