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第15話 ページ17

−−気が付けば、私の前でオレンジ頭が目を見開いてぶっ倒れていた。

あーあ、またやっちゃったよ。
いつ退学処分受けてもおかしくねぇーや。

「放っとけば良かったのに、馬鹿じゃねぇーの。」

クスクスと笑う。
するとオレンジ頭はわなわなと怒り震えて立ち上がった。

「お前、なに先輩殴ってるんだオラァ!!」

殴りかかってくる。

いつもなら1発わざと食らって正当防衛として殴り返すけど、もう殴ったし受ける必要は無いよね。

「喧嘩し慣れてないでしょ、アンタ」

ひょい、と軽く避ける。

オレンジ頭はバランスこそ崩したものの、転びはしなかった。

「おい宮地! なにやってんだ! 大坪手伝え!」

隣の教室から、騒ぎを聞き付けたのか坊主頭の奴とオレンジ頭より背の高い奴が出てくる。

確か、バスケ部の主将と副主将だっけ?
つーかあのオレンジ頭、宮地っつーんだ。ふーん。

その主将と副主将が宮地を押さえる。
殴ったりして退学処分にでもなったら、私と違って大変だもんね?
バスケ部の主力選手がそんなことになったら大会だって出させてもらえないかもしれないし。

「お前は、2年のAAだな?」

主将の方が聞いてくる。

あ、私有名人? 照れるわー。
……いや、やっぱ全然照れねぇわ。

「そうだよ。あーそういえば、私のクラスにも宮地っているわ。髪色同じだし、兄弟か。まあどうでもいいけど。」
「はあ!? あ! 裕也が言ってた不良ってお前の事か!」
「宮地お前はちょっと落ち着け。」

副主将の人が宮地の頭をはたく。

チームメイトには弱いんだ、アイツ。

「ねーもう私帰っていい? いいよね? だってどうせ私邪魔なんでしょ?」

こんな所いたって楽しくないし。
今の私には、居場所がちゃんとある。

「A、お前先輩殴っといて早退するのか? 逃げるのか?」

「……あのねぇ主将サン? 煽ったって無駄だよ? 私ただの馬鹿な不良もどきとは違うから。あっはは、残念でした。」

隅に教科書やノートが散乱しているのが目に入る。

拾うの面倒だし、放っておけばいっか。
どうせ誰かが拾って私のクラスに届けるでしょ。

黙って教室へ鞄を取りに向かう。
呼び止められるかと思ったけど、何も言われなかった。

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作者名: | 作成日時:2015年2月27日 16時

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