【黒バス】正義のヒーローは現れない。 (ページ15)

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第13話ページ15

生放送は無事終わった。
もうすぐ9時を過ぎるだろう時間帯なので、真っ直ぐ帰って明日は学校行かないと。
留年はしたくないからね。

「jade！」
「なんですか紺野さん。早く帰りましょう？」

あーもうなんか、嫌な予感。

「打ち上げ行くわよ」
「えー……私は遠慮して」「ダメよ。人間関係も大事よ」
「……はーい」

現場からすぐ近くの居酒屋に、この後仕事がない人達だけで入る。
……相当な人数いるな、これ。

「すみません、隣……いいですか？」
「あ、はい。どうぞ」

声をかけられて上を向くと、そこに居たのはミストだった。
だがミストは狐面をつけていなくて、顔を見た途端誰だか分かった。
小声で、彼にだけ聞こえるよう話しかける。

「……ミストって、アンタだったんだね……

.

花宮。」

先日仲良くなった、花宮真。
ミストを見て知ってる誰かに似ている気がしたのは、花宮だったからだ。

「……やっぱり、Aか」
「いつ気づいた？」
「スタジオ入って見たときに似てると思った。でも最初は目の色ちげぇし別人かと思ったんだけどな。」
「これカラコンでーす」
「やっぱりな」

スタッフの人と半分くらいのゲスト達は成人しているので、ビール等を頼んでわいわい話している。

「jadeさーん、何か頼むー？」

ある女性スタッフさんが訪ねてくれる。
私は一瞬だけ考えてから「枝豆お願いします。あ、あとネギマ」と無難な物を頼んだ。

「一哉達は知ってんの？シンガーソングライターやってんの」
「知らねぇと思う。多分バレてねぇだろ。プロフィールも顔も公開してねーし。」
「ふーん」

既に頼まれていた唐揚げを1つ食べる。
居酒屋の食べ物って美味いよね。

「Aは？誰かに知られてるのか？」
「いーや、jadeと私の本名が一致してんのは母と姉とマネと社長さんだけ。
AAの髪色を知ってるのはバイクで知り合った一哉達と今言った一致してる人達くらい」
「あっそ。つーかその髪色地毛なのか？」
「一応地毛ですー」