第9話 ページ11
宣言通り紺野さんに家まで送ってもらい、私が家についたのは8時を過ぎる頃だった。
って、さっきから目が痛い。
そりゃそうだ、今日は朝からカラコンつけてるし。
早く外さなければ目に負担がかかる……
とりあえず部屋に向かう。
リビング入ってすぐの階段を登って、すぐの部屋。
『Aの部屋』と書かれたプレートがぶら下がっているその部屋に入り、机にバッグを置く。
「あーつっかれた」
ベッドにダイブする。
ベッドふかふかで気持ちいー……そうだコンタクト外してお風呂入らなければ。
ぱぱっと着替えを引っ付かんでお風呂場へ行く。
洗面所でコンタクトを外し、これまたぱぱっと服を脱いで中に入る。
軽くシャワーを浴びてからお湯に浸かると、「あー気持ちー」なんて色気のない声が出た。
「……明日は新曲のレコーディングやって、夜生放送の歌番組か……」
駅前の雑貨店行きたいなー、なんて考える。
そりゃ、JCだもん。
友達と出掛けたりしたい。
小学生の頃はよく友達と出掛けてたけど。
中学入ってしばらくして、学校の帰り道にスカウトされて……そっから私の人生変わった。
……ああもう!なに考えてるんだ私!
仕事は仕事!しょうがない!
駅前だって、明後日は仕事久々のオフだしその日に行けばいい!
───なにも見えない暗い場所で
見失ったモノを探した───
明日レコーディングする新曲を口ずさむ。
上手く歌えたらいいな、なんて思わない。
上手く歌うことより、『自分らしく歌えるか』のほうが心配だったりする。
───自分の存在もわからずに
ただ求めて手を伸ばした───
私の歌声だけが、そこには響いた。
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作者名:紫 | 作成日時:2015年2月27日 16時