蝕もうとするように ページ10
【アラン視点】
ハリマロンを助けるため、俺はAとサトシに援護してもらいながら巨石の奥へと突き進んだ。少しでも早くハリマロンを解放するため、崩れ落ちた水晶を足場にして跳び上がり、ハリマロンに手を伸ばした。
ハリマロン、迎えに来た！ マノンのところに、一緒に帰ろう！
後ろから水晶が迫っているのは気づいていた。時間がないのも気づいていた。でも、やるしかなかった。
「うああああああああああああ！！！！！」
Aの叫び声が聞こえた。何事かと振り向こうとしたが、寸前でやめた。ここで振り向けば、何もかもが台無しになる。Aに怒られるだろう。
指の先に柔らかな感触。ハリマロンだ。優しく、素早く抱きかかえ、動きの止まった水晶を蹴って、Aたちの元に戻る。
「Aっ！ おい、何があったんだっ！！」
戻ると異様な光景が待ち構えていた。サトシは何があったか理解できていないようで、Aの奇怪な姿を見つめて呆然としていた。リザードンもゲッコウガもピカチュウも、キズナ現象を解かれたツドキさえも、驚きの表情を浮かべていた。
床についた彼女の手の先から腕にかけて、水晶が生えていた。樹木に生える茸、はたまた寄生虫のように、彼女の体を蝕もうとするように。
「はは……ほんとにできちゃった。一か八かだったんだけどな……」
生気を吸いとられたかのような弱々しい声でAは笑う。状況に似合わず満足げで、どこか不気味だった。
「何笑っている！ 一体何が……っ！」
Aは静かに首を横に振った。
「私がやったの。ハリマロンを助けるために……アランと……マノンちゃんを救うために……みんなの明日を守るために……」
彼女は満面の笑みを向けた。
「私が……時間を止めたの」
衝撃が俺の頭の中を揺さぶる。時間を止めた……？
外を見てみる。蔦の動きが不自然なまでにぴたりと止まり、みんなの攻撃も途中で止まっている。もちろん、みんなの動きも。
動いているのは巨石の内部にいる俺たちだけ。
「あのままじゃ……間に合わなかった。だから止めたの……。私の力は願いを実現させる力……だったら……時を止めたとしても……いいよね。巨石が……エネルギーを欲しているんだったら……巨石に残っている……エネルギーを……吸い取れば……動きは止まる……はずだし……さ……？」
言っている間に、水晶は侵食を続ける。Aの体は肩のあたりまで水晶に埋もれた。正座している脚の方にもまとわりつきはじめた。
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名稀ーなきー(プロフ) - 最後まで読ませていただきました！最高です(><) (2023年1月21日 22時) (
レス) @page50 id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - マナさん» こんばんは！大変返信遅れてしまい申し訳ありません。質問大丈夫ですよ！どのようなことでしょうか？ (2021年6月19日 23時) (レス) id: fb3c4754d3 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 頂志桜(サム)さん» こんばんは…！質問していいですか？ (2021年6月17日 20時) (レス) id: 080dd1eb98 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ミラさん» こちらこそ、最後まで読んでくださってありがとうございます！面白いと言っていただけて、うれしい限りです。ここまで辿り着けたのは皆様のおかげです。本当に、ありがとうございました！ (2020年2月14日 21時) (レス) id: b07a161332 (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - 四年間、お疲れ様でした！面白いストーリーをありがとうございました！ (2020年2月14日 21時) (レス) id: 741f87e9ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2020年2月1日 8時
