希望は潰えない ページ26
【アラン視点】
眩しさに目がやられそうなくらい明るい光が差し込む部屋。窓際のベッドにAの寝姿があった。穏やかな寝顔。
俺はベッドの側の椅子に座って、ただ彼女が目覚めるのを待っていた。寝坊した彼女が目覚めたとき、俺を見てどんな反応をするのか楽しみで、思わず笑みがこぼれた。
なかなか目覚めない彼女にしびれを切らした俺は、椅子から立ちあがり、彼女の頬に手を伸ばした。ほんのり温かく柔らかい頬。
幸せそうな寝息を立てる彼女の花唇に、俺のをゆっくりと近づけて……。
と、ふと思い出した。これもいつかの夢で見た光景だ。思わず微笑みの息が漏れ、彼女の前髪を揺らす。
きっと俺たちは知っていた。カロスの危機を救って、Aは眠りにつく。それでも彼女は必ず目を覚ますことを。希望は潰えないことを。
軽いキスの後に、俺は彼女の髪をそっと撫で、再び席に着いて、読みかけの楽譜を手に取った。
あれから、いろいろなことがあった。
プリムとシトラスさんと一緒にAをここフェスト病院に運んで手続きをしている間に、プリムの妹、ラコイが目を覚ましたという連絡を受けた。今もプリムはこの病室の隣、ラコイの病室で彼女のリハビリを手伝っている。
パキラとキリナは、フレア団に所属していた人物として、取り調べを受けに自ら出頭した。彼女らが俺たちのことをしっかりと伝えてくれたお陰で、俺とプリムの取り調べはあっさりと終わったのだ。
シトラスさんはホウエンチャンピオンとしての仕事を継続しつつ、カロス全土の復興活動を推進している。その合間合間に見舞いに訪れてくれるが、まったく疲れた様子を見せないからさすがだ。
そして俺は、マノンが企画してくれた『お祝いのパーティー』に出席して、サトシの今後を知った。彼はカントーに戻り、ゼロからやり直すという。彼らしい考えだ。彼とはまたバトルする約束も交わした。
その後、リーグの表彰式の続きを博士の研究所で行った。博士からみんなにメダルが渡された。しかし、肝心の優勝者が不在というのは不思議なものだったな。目を覚ましたら、俺から彼女にメダルを渡そう。
俺は楽譜をめくる。サトシにこれからどうするか訊かれたときに、俺は正直に答えた。少し驚かれたが、みんな応援してくれた。Aが導いてくれた夢。必ず叶えたい。
「勉強熱心ね、アランくん」
病室の扉が開く。快活な足音と裏腹に、仕方なさそうな苦笑を携えたシトラスさん。何があったのかなんとなく察した。
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名稀ーなきー(プロフ) - 最後まで読ませていただきました！最高です(><) (2023年1月21日 22時) (
レス) @page50 id: abcac44663 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - マナさん» こんばんは！大変返信遅れてしまい申し訳ありません。質問大丈夫ですよ！どのようなことでしょうか？ (2021年6月19日 23時) (レス) id: fb3c4754d3 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 頂志桜(サム)さん» こんばんは…！質問していいですか？ (2021年6月17日 20時) (レス) id: 080dd1eb98 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ミラさん» こちらこそ、最後まで読んでくださってありがとうございます！面白いと言っていただけて、うれしい限りです。ここまで辿り着けたのは皆様のおかげです。本当に、ありがとうございました！ (2020年2月14日 21時) (レス) id: b07a161332 (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - 四年間、お疲れ様でした！面白いストーリーをありがとうございました！ (2020年2月14日 21時) (レス) id: 741f87e9ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2020年2月1日 8時
