【黒バス】後輩共が面白いから観察してみようと思う by黛【赤司征十郎】

p8. 赤司は今日も一言多い 2/2 ページ8

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続き。



「言ってる場合かよ赤司ぃ！！早くしねーと大槻電車乗っちゃうじゃん！！！」

「そうよ、征ちゃん！！もしAちゃんが痴漢に遭っちゃったらどうするの！！！！？？？？」



ぎゃーぎゃー喚く雷獣とオネェに板挟みされ、切羽詰まった表情で頭を抱える赤司。

中高バスケ界では憧れの的であるキセキの世代の主将として彼等を纏め上げ、涼しい顔で勝利を修めてきた文字通り死角のない男のこんな表情を、正直こんなアホみたいな理由でお目にかかりたくなかった。

まあ人間らしいっちゃあ人間らしいが…こんなに面倒くさい人間らしさを出さないでほしい。毎回振り回される身にもなれよ。(それを日記にして面白がってるのは俺だが)



「で、良いのかよ赤司？」

「良くないに決まっているだろう！だいたいAは口が悪いのが玉にキズだが黙っていればそれなりに見目は整っているし派手な部類ではないから余計に痴漢に狙われやすい程度には清純さもある…見た目だけ、本当に見た目だけだが。気が強いしすぐ手が出るヤツだから触られた位、いや駄目だ、彼女はあれで生理的に受け付けないモノを目の当たりにした時、声も出せない上に動けなくなる傾向があるから却って危険だ。何より僕ですら一度も触れたことのないAの身体に触ろうとするなど断固として許していや生かしておけない」

「赤司お前ホント気持ち悪いな。イケメンだからって何言っても許されるとか思うなよ、豆腐の角に頭埋めて非モテ男子に土下座して詫びろ」

「黙れ殺すぞ非モテ男子の黛千尋」



あーでもないこーでもないと学年1…いや学校1の頭脳をフル稼働させていた赤司はやがて顔を上げ、「かくなる上は…」とケータイを取り出すと席を立ち、どこかへ電話をかけ始めた。

「自宅まで追跡――」だとか「見つけ次第処分――」だとか、どう考えても物騒な単語がちらちらと聞き取れ、それは他の3人も同様だったらしい。根武谷が「もう何も言うな」と首を振っていた。


その翌日、無事何事もなく自宅に帰れたらしい大槻に俺達が安堵していると、



「そういや、昨日ウチが乗ってた電車がなんかうるさかったんですよね〜。黒服のゴツい男の人達がひょろいサラリーマンを引きずって途中下車してはってさあ……あれ何やったんやろ？」



と不思議そうに首を傾げる大槻の後ろで不敵に笑う赤司の姿が見えたので、取りあえず俺はそのサラリーマンに同情するつもりはないが十字を切っておいたのだった。ｱｰﾒﾝ。


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p9. 最強は大槻だと思う→←p7. 赤司は今日も一言多い 1/2

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