p33. 優しい人 #とは ページ36
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「優しい人だと思われたいんだが」
「無理だな。解散」
「待て待て待て待て。席を立つな千尋、座れ」
赤司に突然呼び出され、何事かと思って来てみれば。
よくもまあくっだらねえ理由で呼び出してくれたなこのクソガキ。
「お前…考えてみろよ。暴言吐くわまともに挨拶も礼も言えないようなヤツがどうやったら優しい人間だと思われるんだよ」
「そう、それが不思議でならない。何故僕は彼女を前にすると思ってもいない言葉が出るんだ?」
「俺が知る訳ねえだろ!!!むしろこっちが聞きてえわ!!!!」
もーバカ、こいつほんっとバカ。心底理解できませんって表情してんじゃねーよバカ。呆れてもはやバカしか言えねえよバカ。
「…大槻以外の女子と同じような対応すりゃいいんじゃねえの」
「いや、一度やってみたんだが…「きっしょ!!」と大声で言われてしまった。結構傷付くものなのだと痛感したよ…」
「ああ、まあ確かに猫被ってるお前はキモいからな」
「千尋が羨ましいよ。猫を被る必要が無くて」
「…一応、どういう意味か聞いておこうか」
「ぼっちに人気者の苦痛などわからないだろうな」
「誰がぼっちだこの童[ピー]!!!!!!」
「僕が[ピー]貞なのは今関係ないだろう!!!!!!」
人がアドバイスしてやってるのにこの言いぐさ。不敬な後輩をもって本当に俺は悲しい。
だがこのクソ生意気な後輩が深刻な面持ちで頭を抱えている様子を見るのは非常に楽しいし、何より日頃の鬱憤が晴れる。
全てにおいて完璧な赤司様がたった一人の平凡な女子に翻弄されているという状況が、面白くて面白くて仕方ない。
「つーか、お前は極端すぎるんだよ。今まで口を開けば暴言、デリカシーの欠片もない上に地位と権力を利用してして好き放題しまくるクソ野郎にいきなり優しくされたらそりゃ気持ち悪いだろうよ」
「それは僕の事を言っているのか?」
「自覚があったのか。本日一番の驚き」
「お前が僕をどういう目で見ているのかはわかった。続きを聞かせろ、その後に殺す」
「だから、徐々に優しくしていけばいいんだよ。お前の他の女子に対する優しさの度合いが50なら、まずは5ずつ優しくしていくとか」
「…なるほど、少しずつ……5…か」
「理解したか?」
「ああ。完璧だ」
本当かよ…と思ったがそれは言わない事にした。
その後日、大槻から「赤司がウザい上にキモいんですけど」とメールがきたが「知るか」と返しておいた。何したんだ。
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かばん - 番外編の『ナニは入ってません』でクソワロタンバリンシャンシャンw (2019年7月1日 18時) (レス) id: bbcce8e0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ししざ(プロフ) - 更新プリーズ (2019年6月4日 19時) (レス) id: f750d8e997 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - めっちゃ面白いです!笑いが止まりません!続き楽しみにしてます! (2019年3月22日 21時) (レス) id: a6be0e3a0d (このIDを非表示/違反報告)
松村ユノ(プロフ) - 赤司のキャラ崩壊っていつ見ても笑い疲れる() (2018年5月6日 15時) (レス) id: 645b0b4b0b (このIDを非表示/違反報告)
れもん - チート赤司様があわててるとこがギャップでかわああですね (2018年4月2日 17時) (レス) id: 4b5f57253f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:縁樹 | 作成日時:2014年12月5日 19時