p30. 主将弄り楽しいね(にっこり) ページ33
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今日の放課後も、いつもと変わらず練習三昧だった。1軍に入ってから暫く経ち、1軍のハイスピードな練習に慣れてきた俺は生意気な後輩にちょっかいをかける程度には余裕も出てきた。
「大槻」
「なんですか?」
「ちょっと俺を『千尋先輩』って呼んでみてくれないか」
「はあ?」
「そんな露骨に嫌そうな顔するなよ傷付いたわこのクソガキ」
「今めっちゃ忙しいんですよ。見てわかりません?」
「一回だけ、一回だけでいい」
「そんな先っぽだけみたいな言い方せんといてください。これだからラノベ厨は」
「ラノベに対する熱い風評被害。わかったわかった、じゃあ次の休憩でドリンク渡す時に言ってくれ」
「『お疲れ様です!千尋せーんぱい(ハァト』みたいな?」
「お前のそういうノリの良い所は好感が持てるが正直今吐きそうになった」
「はは、先輩やから殴られへんとか思ってたら大間違いですよマジで」
大槻は口が悪く辛辣だが、先輩に対する敬意はちゃんと持っている。バスケの能力で人の価値を決めやがる生意気な後輩共と違ってまあまあ良いヤツだ。
「千尋先輩、ドリンクどーぞ」
「ああ、助かる。A」
そのやり取りをした瞬間、体育館内が騒めいた。いや、主に1軍レギュラー陣がと言うべきか。そしてガン見し挙動不審になる赤司。爆ヮラなんですけどマヂで。
「…千尋、何をしている?」
「大槻にドリンクをもらっていただけだが?」
「見ればわかる。そうじゃなくて、その、だな、えーっと…」
「何やねんはっきり言えや」
「ああ、名前の事か?」
「!! そ、そうだ。何故急に下の名前で呼び合ったんだ」
「ノリで」
「ノリだな」
「理由になっていないんだが!!!!」
「なんでキレてるんお前…」
「思春期だからじゃないか?」
「違う!!!!!」
「もう何コイツほんま意味わからん」
「だから!!何故千尋のことを下の名前で呼ぶのかと聞いているだけだろう!!?」
「面倒くさいなお前。……ああそうか、大槻。赤司も下の名前で呼んでほしいみたいだぞ」
「ち、違う!!だいたいこんなのに呼ばれていたら名が減る上にくっ、腐るだろう!!」
「あっごっめ〜ん、ウチお前の下の名前とか知らんねん〜〜〜マジごめんちょ〜〜〜 千尋先輩は知ってます?」
「俺も知らないな。『赤司頭が高いマン征十郎』だったか?」
「えっ…何そのクソダサい名前…めっちゃウケる……」
「上等だコラ表に出ろ二人共ォ!!!!!!!!!」
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かばん - 番外編の『ナニは入ってません』でクソワロタンバリンシャンシャンw (2019年7月1日 18時) (レス) id: bbcce8e0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ししざ(プロフ) - 更新プリーズ (2019年6月4日 19時) (レス) id: f750d8e997 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - めっちゃ面白いです!笑いが止まりません!続き楽しみにしてます! (2019年3月22日 21時) (レス) id: a6be0e3a0d (このIDを非表示/違反報告)
松村ユノ(プロフ) - 赤司のキャラ崩壊っていつ見ても笑い疲れる() (2018年5月6日 15時) (レス) id: 645b0b4b0b (このIDを非表示/違反報告)
れもん - チート赤司様があわててるとこがギャップでかわああですね (2018年4月2日 17時) (レス) id: 4b5f57253f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:縁樹 | 作成日時:2014年12月5日 19時