p26. 俺に聞くな ページ29
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昼休み、赤司が突然俺の教室に現れてこう言った。
「次はどうすれば良いと思う」
何 を だ よ 。
さっぱり全く理解できないでいる俺に対し、呆れた様にひとつ息を吐いた赤司。オイコラお前仮にも相談する側がだろうが。偉そうにしてんじゃねえ。
一瞬イラッときたが、俺はお得意のポーカーフェイスで何でもない風に流してやる。この程度で一々苛々していては俺の血管がもたないからだ。
「先日お前が言った様に、僕なりに考えて彼女を気遣ってみたんだが」
「ああそう。で?」
「自分で言うのもなんだが、なかなか上手くいっていると思う」
上手くいっている…?昨日もなんか小競り合いを繰り広げていたような気がするんだが、まあ本人が満足しているなら触れる必要はないだろう。「そーかよ」とだけ返して続きを促した。
「そこでそろそろ次のステップに移りたいんだが、次は何をすればいいだろうか」
「俺に聞くな」
「そう意地悪言わないでください黛先輩」
「こんな時だけ後輩ぶるんじゃねえよ気色悪い」
「僕はいつも貴方を慕っていますよ。ところでさっきから何を食べていらっしゃるんですか?」
「大槻お手製のクッキー」
「畜生お前千尋ォ…!」
「まじうま」
「黛先輩、可愛い後輩にお一つ恵んでくださいませんか」
「おとといきやがれ」バリムシャア
「千尋キッサマァァァァァァァァァ!!!!!」
血の涙を流す赤司に同情の余地はない。何故ならこのクッキーは、大槻が迷惑をかけたお詫びだと言って持って来たものだからだ。当事者の赤司には当然無しだろう。残念でした〜〜〜あ〜メシウマ〜〜〜。赤司の悔しがる顔でメシが美味い。勿論普通にクッキーも美味かった。
項垂れる赤司を嘲笑って、無情にも俺は最後の1枚を一口で収めた。
「何で俺に聞くんだよ。実渕辺りならまともなアドバイスするだろうが」
「…千尋は何かとAと仲が良いじゃないか」
「まあ数少ない常識人だからな。お前らと違って」
「心外だな、本気で自分が常識人だと思っているのか?」
「妬むなよシャイボーイ」
「誰がシャイボーイだこの童[ピー]!!!!!」
「声がでけえんだよ!!!!!」
結局、昼休みはくだらない罵り合いで終わってしまった。何の収穫もなく、クッキーも貰えず、悲壮感を漂わせて俺のクラスから立ち去ろうとする赤司に一言。
「何か褒めてやればいいんじゃねえの」
「…ふむ」
不安だ。
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かばん - 番外編の『ナニは入ってません』でクソワロタンバリンシャンシャンw (2019年7月1日 18時) (レス) id: bbcce8e0e4 (このIDを非表示/違反報告)
ししざ(プロフ) - 更新プリーズ (2019年6月4日 19時) (レス) id: f750d8e997 (このIDを非表示/違反報告)
暁 - めっちゃ面白いです!笑いが止まりません!続き楽しみにしてます! (2019年3月22日 21時) (レス) id: a6be0e3a0d (このIDを非表示/違反報告)
松村ユノ(プロフ) - 赤司のキャラ崩壊っていつ見ても笑い疲れる() (2018年5月6日 15時) (レス) id: 645b0b4b0b (このIDを非表示/違反報告)
れもん - チート赤司様があわててるとこがギャップでかわああですね (2018年4月2日 17時) (レス) id: 4b5f57253f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:縁樹 | 作成日時:2014年12月5日 19時