佰拾参 ページ13
「黒死牟殿と猗窩座殿とこうして会うのは先週振りだろうか!」
「……A、花だ。私の近くに咲いていたものだ」
「ありがとう!黒死牟さん」
「A、とりあえずコイツは追い出そう」
「えっ!?酷くない!?俺だけ無視って酷くない!?」
「童磨さん、こんにちは!」
「こんにちは、Aちゃん。Aちゃんだけだよ?そーいう風に優しい子」
「…A、花だ、まだある」
「黒死牟殿、しれっと乱入してこないでおくれ!!」
童磨さんはこの中で一番表情豊か(?)である。
「そーいえば、猗窩座殿、昨日の夜、鬼殺隊の柱一人を____」
続きは耳を塞がれて聞こえなかった。
耳を押えている手にそっと触れる。
「こくしぼーさん」
耳を押さえられながら言えば、正解だったらしく、黒い髪が見えた。
「黒死牟さん、まだ?」
耳はしっかりと塞がれて聞こえない。
黒死牟さんからギュッと抱きしめられて、紫色の衣が目を覆う。
視界も奪われた。
手を使ってどかそうとすると強く抱きしめられる。
なんだろう、なにが起きているのだろう。
真っ暗な視界の中でそんな事を考える。
そして、だんだん眠くなってきた。
***
「……ん?あ、寝ちゃってた!!ごめんなさぃ…あれ?」
「A」
赤い瞳を細め、私の頭を撫でる無惨さん。
私は無惨さんに膝枕してもらっていた。
「A」
「無惨さん?」
優しく頭を撫でられて、頬、首筋、鎖骨へと指を滑らせる無惨さん。
「少しくすぐったくて、冷たいです、無惨さん?」
「私を愛しているか?」
「はいっ!」
力強く頷きながら言えば、少しだけ無惨さんの雰囲気が柔らかくなった。
「足りない、A」
「え?」
「それだけでは足りない」
「…どうすれば無惨さんが好きって証明できますか…?」
「そうだな…」
ふわりと顔が近づいた。
鼓動が速くなる。
「A」
「はい」
「ここに、口づけ」
トントンと、無惨さんは自身の首元を指した。
「分かりました!」
起き上がり、そっと首元に顔を近づければ、無惨さんは少しネクタイを緩める。
チラリと鎖骨が見えて、慌てて目をそらす。
「A」
「あ、はい!すぐにします!」
そっと、無惨さんの肩に手を置いて、無惨さんの首元に口づけた。
「無惨さん、これでいいですか?」
「足りない」
「えっ?あっ、」
畳の上に押さえつけられる。
ふわりと髪が畳に広がる。
「無惨さん?」
無惨さんはネクタイを解いた。
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丸(プロフ) - へなさん» へな様…!今更だなんて!そんなそんな!素敵すぎるというお優しいお言葉…!拙い文にも関わらずそう言っていただけて本当に胸いっぱいです(*´-`*)長い物語でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました! (3月25日 1時) (レス) id: fe9b371b01 (このIDを非表示/違反報告)
へな - 今更ですが素敵すぎました! (3月24日 8時) (レス) @page50 id: 6adab414b4 (このIDを非表示/違反報告)
丸(プロフ) - ふわるさん» ふわる様、返信が遅くなってしまい申し訳ございません…!!そう言っていただけて光栄です〜!!(;▽;)そんなに褒めていただけてもう心中、喜びパラダイス状態です!!私も素敵な読者さまからコメントしていただけて幸せです〜!!ありがとうございます!! (8月26日 14時) (レス) id: fa76bf1609 (このIDを非表示/違反報告)
ふわる(プロフ) - 面白かったです!泣きました笑!なんでこんな良い作品が思いつくんですか!!!この作品に出会えてよかったです! (8月24日 1時) (レス) @page50 id: ca3f3ad930 (このIDを非表示/違反報告)
古猫丸(プロフ) - あやめさん» あやめ様!そんなに褒めてくださるなんて…!ありがとうございます〜!!m(_ _)m無惨様をさらに好きになるきっかけを作る事ができて感無量です。゚(゚´Д`゚)゚。あやめ様の褒め褒め言葉に私はHPが急激に回復いたしました!!素敵なコメントありがとうございました!! (2021年2月3日 19時) (レス) id: c92cfbb025 (このIDを非表示/違反報告)
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