8話 ページ8
「宇髄さんが大絶賛だったわよ〜」
「そうですか」
宇髄さんやみんなが頑張ったのを横取りしただけだ、申し訳ない。と温泉から野鳥を眺めていた。
刀鍛冶の里は何度か訪れるが温泉に入ったのは初めてだ。
「…良い湯ですね」←全力の話題提供
「そうね〜」
性格の歪みが改善されるらしい。
どんな温泉だよ。
「Aちゃんはどうして鬼殺隊に?」
私は添い遂げる殿方を見つけるためなの、と頬を隠す甘露寺さん。
理にかなっていると思う。
「………」
育てが元柱だし、兄も友達も鬼殺の道に進んだし、成り行きというか…成らなければならないものなのかと。
まともな言い訳が浮かばない。
「と、冨岡さん強いものね…!」
「…そうですか」
甘露寺さんは言葉が足りない私を擁護するように言葉を紡いでくれているけど違うの、ただ…
「家族、兄さんだけだから…会いたかった」
狭霧山に足を運ぶことなんてほとんど無いから、同じ道に進めば会える可能性があるかもって。
そう思っていたのは、選別前までだけれど。
「Aちゃん…あら?Aちゃん!?」
「……のぼせた」
_
_
ご飯を食べに行こうと浴衣を着て外へ行くと、強面(重要)の男性とすれ違った。
絶対不死川家の人間。
柱合会議でちょっと挨拶したくらいだけどすぐ分かるあの顔。
「こんにちは〜」
「……」
「無視!?」
凄い剣幕で大股で歩いて行ったけど何、出陣なの?戦地刀鍛冶なの?甘露寺さん号泣してるよ。
「あっ、炭治郎君だ!炭治郎くーん!」
「甘露寺さんにA!」
久しぶり、と爽やかな笑顔を向けてくれた。
…眩しい。
今日は来客が多いんだね里も。(常連は語る)
「またAに助けられたな!」
「別に」
また傷が増えているなって思った。
まぁ、そういう仕事だし…死ぬこと以外かすり傷だけど。
「聞いて!挨拶したのに無視されたのよ、温泉の良い気分がもう台無し!」
「…甘露寺さん、今日松茸ご飯だって」
「え〜本当!?」
その一言ですっかり気分も良くなったのか速足に去って行ってしまった。
無邪気だ。
「A、この間は本当にありがとう。俺や善逸、伊之助みんな助けられたよ」
「無事で良かった」
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柊蓮(プロフ) - 毎年、誕生日に読んで号泣してます…大好きです。この作品も、同じ作者様の作品も。ついに夢主ちゃんとおんなじ16歳になりました…来年もまた読みに来ますっ素敵な作品を本当にありがとうございます。 (2月9日 1時) (レス) @page50 id: 4d2be51c25 (このIDを非表示/違反報告)
芽依 - ボロ泣きです、、最高です、後日談までもう泣けてくるんですが、、すれ違う兄妹の書き方が神ってますね、素敵な作品を読ませていただきありがとうございました、、! (1月30日 10時) (レス) @page50 id: e9435a06b7 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 涙止まりませんでした、、、出会えて良かったです、、、 (11月24日 13時) (レス) @page50 id: 477ea6ec3d (このIDを非表示/違反報告)
ピンス - 流石に泣きました。後日談も最高です。神作品ありがとうございます… (11月10日 23時) (レス) @page50 id: 18a9383861 (このIDを非表示/違反報告)
てんごく(プロフ) - めっちゃ泣きました。凄い良いお話です (10月5日 18時) (レス) @page50 id: e622d65d6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年7月26日 20時