【鬼滅の刃】むしろ清々しい。

12話 ページ12

「ただただ長引いた任務だね…また死ねなかったし」



「ずっと死にかけてたけどなァ」






実弥の背中にて、泣き疲れて鼻声で文句を垂れていた。





十二鬼月はいないのに低級鬼は集まってて任務はダラダラ長引くし、途中実弥と分かれるし、









「うぅ…お腹空いた…体痛い…眠いぃ…」



「寝てて良いから黙ってろォ」


「実弥と合同で良かったぁぁ…」





ぶわぁぁっと泣きながら感謝を述べた、述べまくった。








「ありがとねぇ実弥…逆立ちして土下座したいくらいだよ…」


「踏ん反り返ってんじゃねェ」









そう言えば、




「あと、私の弟と実弥の弟同期なんだって」


「俺に弟はいねェ」






不死川玄弥というらしい。


是非一度お会いしたいね、彼も稀血なのかな？








「弟くんカブトムシ好き…？」

「俺に弟はいねェ」





「おはぎは？」

「俺に弟はいねェ」








「壊れたラジオみたいに同じことばっかり言うのやめなよ」

「崖から突き落とすぞォ」


「ごめんって」







実弥は大事なものほど遠ざけるから、きっと弟想いなんだろうなぁ、と足をぶらつかせながら笑った。









「はぁぁ実弥がいたら世界は平和だねぇ」




実弥って鬼に対して常に空腹状態だからさ、私が戦うまでもなく血眼になって鬼を狩ってくれるわけ。




つまり私が刀を抜かずとも任務が遂行される。最高、風柱万歳。









「俺お前と組むのすげェ嫌」


「こんな素直な感想久々」






本当、私が柱の称号を手にしてる謎具合。









「私も実弥みたいに戦いたいよ、でもね、無理なの。分かる？？」


「分かんねェ」








「鬼を前にするとね、信じられないくらい膝が震えるの。視界が揺れて的が定まらないの。」


「思ったより重症じゃねェか」





心が弱すぎてそれが体に症状として現れるのよ。









「つまり何が言いたいか分かる？」



「柱以前に鬼殺隊士に向いてねェ」



「大正解！さすが私の実弥！」







_






私なんかが柱で良いのかなって。







_







「辞めたいなぁ…柱」


「辞めんなよォ」







「私を励ましてくれるんだね実弥…」


「隊士不足が深刻だしなァ」


「はいはい頑張りますよこれからも…」

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