41話 ページ41
無一郎君、あなたに言いたいことが沢山あるのに、一緒に行きたいところが沢山あるのに、何一つ叶いそうにないです。
お花が咲く時期には一緒にそれを見に行きたかった。
暑くなったら水遊びをしたり、屋敷から一緒に花火を見て、
十五夜には、今度こそ曇ってない綺麗な月を見てお話を。
寒くなったらこたつでみかんを食べながら雪景色を見たかった。
目的もなく外へお散歩へ行くのも、上手く動けなかった任務も、貴方と一緒なら全てが楽しくて、キラキラしてて、胸が高鳴って。
それなのに、いっつも好きって言えなくて。
貴方はお兄さんを亡くして、一人は寂しいと言っていたから、
鬼殺隊員である以上、女で、弱い私は先に死んでしまうから、貴方を一人にしてしまうから、
想いを告げるのは酷だと、いけないことだと感情を押し殺しても、それでもやっぱり好きで、貴方の事しか考えられないほどで。
でも、無一郎君の好きな女性像を聞いた時は、聞かなきゃ良かったと後悔しました。
師範や宇髄さんに泣きつくくらい。
それでも、貴方と過ごしていくうちに、その優しい瞳を、声色を、私に向けてくれているんじゃないかって、都合よく解釈してしまって。
鬼の事を忘れて、城下町を訪れた日、貴方に口付けをされて、堪らない気持ちになりました。
ついさっきの事なのに、ずっと昔のことみたい。
貴方の唇に触れて、あまりにも大きな満たされた感情を表す言葉が見当たらなくて、私より少し背が高い貴方を見つめるだけで精一杯で。
それなのに、鴉からの伝令はあまりにも酷いものでした。
世界から、色が消えていくような感覚。
もっと一緒にいたかった。
もっとその手で私に触れて欲しかった。
もっとその目で私を見て欲しかった。
その声で私の名前を呼んで欲しかった。
愛していると、伝えたかった。
後悔だからけの人生だけど、貴方と出逢った事だけは、
貴方を好きになった事だけは、後悔していないです。
もし天国があるなら、そこで出会えるかな。
生まれ変わったらまた、出逢えるかな。
きっとまた、私を探してください、私もきっと、貴方を忘れられないから。
貴方を好きになって、本当に良かったです。
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べにてゃ - ｽｩｰ好きです🫶 (4月29日 14時) (
レス) @page50 id: 3804c55305 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - ほんとに情緒不安定っす…。泣きました、めっちゃよかった。こんな素敵な作品作ってくれてありがとうございます！ (2月28日 18時) (レス) id: d48b66107c (このIDを非表示/違反報告)
めんぼー(プロフ) - もうガチ好き。愛してるレベルで好き。神か？これは神なのか？ (11月18日 23時) (レス) @page50 id: a4d4cab34b (このIDを非表示/違反報告)
りず - ほんとすきこのしょうせつ。にやにやしすぎたわ…！もう最高！前世のの話してるシーンとかとくに！ (11月18日 22時) (レス) @page50 id: 804a1b86af (このIDを非表示/違反報告)
せりりん - ギャグ要素もありながらキュンキュンするし感動するし感情の起伏が激しすぎて肝臓がやられちゃいました(？) 完結おめでとうございます、そして素敵な作品をありがとうございました！ (7月18日 20時) (レス) @page50 id: 6563dca116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だむい
| 作成日時：2020年4月22日 23時
