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42話 ページ42

私に、務まると思いますか。







「……うー…うぅ…」





今だって、すすり泣くことしかできないのに。



頭も悪いし、すぐわがまま言うし、ほんと、すぐ泣くし。









「不死川さんお兄ちゃんになってー」

「煉獄さんみたいな兄が欲しかった」

「炭治郎ぉぉ…おんぶー…」








ごめんなさい兄様、違うよ、違うんだよ。






私をおんぶしてくれるのも、


頭を撫でてくれるのも、


褒めてくれるのも、




ダメなことはダメと叱ってくれるのも


守ってくれるのも



私の兄様でいるのも









「全部…天元兄様じゃなきゃ嫌だぁぁ…っ」






言いたいことが沢山あるのに、それが全部嗚咽となって流れてしまう。







うずくまって、コツッ、と兄様の額に私の額を合わせた。









もう、どうすれば良いのか分からない。






それならここで、私も腐るまでこうしていたい。









「天元様!A!!」

「やぁぁぁ天元様死なせたらあたしのもう神様に手を合わせません!!」

「Aは怪我ない?大丈夫!?」





義姉さん達は腕に布を巻いて左目や腹部の止血を行なっていた。





出血は呼吸で遅らせられるけど、ここまで巡ってしまった毒は、自身の力では止めようがない。








「Aー!!」



聞き馴染んだ炭治郎の声がして、ゆっくり顔を上げると私と兄様の間に禰豆子がいた。









私にヨッ、と会釈をした禰豆子は、兄様を燃やした。






それはもう、まぁまぁな火力で。







「ぎゃー!いくらなんでも火葬は早すぎます!Aが燃えるー!!」






須磨さんに引っ張られて兄様から離れる。



これ、那田蜘蛛山でも見た禰豆子の血鬼術…









「こりゃ一体どういう事だ?」








毒で舌が回らなくなっていたはずの兄様が、ハッキリと言う。






「毒が消えた…!」





「う、あ…」









その日、私は









「うぉ!!どうしたんだよA…」



「うぁぁあぁぁ…!」









産声をあげるように、泣いた。

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(プロフ) - 感動しました、素敵な作品をありがとうございます!!!😭😭😭 (8月8日 22時) (レス) @page49 id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 泣く!!!! (2022年3月28日 14時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - はあぁぁ、むい君のやっぱり可愛いってやつで私は成仏しました…… (2022年2月15日 21時) (レス) @page33 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - 足抜きではなく、足抜けではないですか?間違ってたらごめんなさい! (2021年12月3日 20時) (レス) @page19 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
毒猫 - うぅ・・・感動しました!また違う作品で! (2021年9月11日 22時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だむい | 作成日時:2020年4月7日 22時

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