32話 ページ32
「どうなの?遊女生活」
「それはもう手刀が荒ぶってるのなんの。」
「なんもされてないんだ」
「お触り禁止だもん」
触られたら即手刀よ、怖すぎるだろ私。
「………何しに吉原に来てんの?」
「監視…かな。」
私とむい君は金平糖をつまみながら窓から京極屋を眺めていた。
「そっか。早く戻った方がいいよ」
「やだむい君…嫁入り前の私を心配して…」
「このままだと取り返しがつかないくらい体鈍ると思う。」
所作が丁寧になりすぎ。
動き固すぎ。
筋力落ちすぎ。
そう三段攻撃を食い窓にもたれかかった。
「あとちょっと化けすぎ。」
「みんなして酷くない?私だって傷つくよ」
「じゃあ言い方変えてあげる。可愛いくなりすぎ。」
「むい君…」
トゥンク、と胸を押さえ込んで彼の肩に手を置いた。
「私を養わない?」
「気が向いたらね。とりあえず現役で鬼殺隊員に戻れる努力しなよ」
今のAなんて癸レベル。と流石に一番下は酷すぎない?
悔しい。
_
「うぐっ…私体づくりはしない主義…」
「はいあと200回」
「鬼かよ…」
_
めちゃめちゃ筋トレしたよね。
陽が登ってきてやっと終わりの合図が打たれた。
「10回くらいで音を上げると思ってた」
「割と平気」
頼んでもないのに父親に鍛えられてたから、なんて仰向けに転がっていた私はゆっくり起き上がった。
「良い汗かいたわー」
「そんなでも無かったけどね」
「代謝悪いんだよ」
不健康体なんだよ言わせないで。
「ん…なんだ…ここは」
「うわ、おじさん起きたから僕行くね」
「うん、ありがとねー」
もう3日もせず鬼殺隊に戻る気でいるからー、と窓から降りていくむい君に手を振った。
「旦那様、」
私が声をかけようとすると襖が開いた。
「A、新しい子が入ったから面倒を見てやってくれ。あぁ、悪いけど旦那さん、もう帰ってくれないかい?」
「え、僕はまだ…」
旦那様、良いお眠りでしたね。
「ったく…今週足抜けが4人と来たものだ。音もなくよくやるもんだよ」
「…4人?」
嘘だ、京極屋は見張ってた。蕨姫は入り口にすら立っていない。
近日の荻本の入り口は私を笑いにきた隊員達が出入りしていた。
「なんで…」
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霞(プロフ) - 感動しました、素敵な作品をありがとうございます!!!😭😭😭 (8月8日 22時) (レス) @page49 id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
きゅうり - 泣く!!!! (2022年3月28日 14時) (レス) id: bfccae0caf (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - はあぁぁ、むい君のやっぱり可愛いってやつで私は成仏しました…… (2022年2月15日 21時) (レス) @page33 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
まっひー - 足抜きではなく、足抜けではないですか?間違ってたらごめんなさい! (2021年12月3日 20時) (レス) @page19 id: d24aae8d9d (このIDを非表示/違反報告)
毒猫 - うぅ・・・感動しました!また違う作品で! (2021年9月11日 22時) (レス) id: dc79ac4bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だむい | 作成日時:2020年4月7日 22時