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37話 ページ37







五右衛門曰く、やっぱり近くには甘露寺さんがいるらしい

里の人は下山途中できっと彼女に出会えるだろう。









「はぁ…はぁ…」



一方こちらは分が悪すぎる。





小屋にあった斧で身体や腕を切ってなんとか時間を稼いでいるけど首を斬れないままだとやがて体力が底を尽きる。









「どうして首を狙わない?」


「準備運動」



「舐められたものですね私も」




玉壺は包丁のようなものを私に向けてきた。



それを避けると何故か背後に玉壺がいて、私の脹脛を刺した。









「い“っっ…」



なるほど、壺から壺へ移動できるんだ。






「何するのよっ!」



三つ折りした甘露寺さんの刀を振ると驚いたように彼はツボの中に入っていった。







何か、武器を。





「うっ…」



脹脛が痛くて着地が出来ず、身体を打ち付けた。





私が一瞬でも痛い、と動きを静止させると、玉壺の姿がもう見えなかった。







「ギャァァァァァァ」



その代わりにさっきのような酷い叫び声が聞こえて片足を引きずって駆けつけると里の人がまた犠牲になっていた。






「いやぁ、芸術的ですねぇ」


「このっ…」




夢中で玉壺にしなる刀を振りかぶると振り返った彼に刀で肩を刺された。





「あなたの叫び声が聞きたいのに、先ほどから歯を食いしばっているだけ」



面白くない、とでも言うように私の肩に刺さった刀を捻った。





「い”ぃぃッッッ!!」




「でも私はこう言うのを期待していまして」




里の人の刀を同じように捻る玉壺






「う“ぁぁああぁぁぁ”!!」



「やめて!!」




その腕を蹴り上げて肩に刺さった刀を引き抜いた。



痛い、脈打つたびに血が溢れてくる。








「絶対斬ってやる、その首斬り落としてやる!!」




「良いですねえ」









誰のものかも分からないボロボロの刀、私の血で斬れ味も悪いかもしれないけれど…









失血死する前に、この外道だけは。



「ここで惨めにくたばって」







私は一つ一つ、玉壺の手を削いでいった。




「なんて緻密な…!」








「もう一生、筆もペンも刀も握らないで」



あなたにその資格はない。








「芸術をはき違えているその目も必要ない」



腕を削いだら一気に距離を詰めて、上弦と記載された目を貫いた。









首は斬れないけど、もう絶対里の人を死なせない。







これ以上先は絶対に行かせない。






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ジャンとアニの守り隊 - 久しぶりに鬼滅夢小説見たら面白くて宿題やらずに読んでしまった泣…神作品✨ (2月27日 23時) (レス) @page46 id: 3aa9af30d4 (このIDを非表示/違反報告)
蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - 天才作者様だ (6月15日 17時) (レス) @page30 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 深夜に見つけて読了したのがAM3:21!運命をかんじました!!そして苦しくて涙が出過ぎてただ今枯れてます😭めちゃめちゃ感動です…素敵な物語から幸せを頂きました!ご馳走様!ありがとうございました〜!! (5月16日 3時) (レス) @page46 id: 2d06e4d39c (このIDを非表示/違反報告)
8190506(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…!一晩で書き上げてしまったと聞いて本当に驚きました…。でもそれを感じさせないほど素敵な作品でした…! (2022年4月2日 22時) (レス) @page46 id: 5a5b1fad70 (このIDを非表示/違反報告)
chiaki0708(プロフ) - しっかり泣きました!最高です (2021年10月16日 19時) (レス) @page46 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だむい | 作成日時:2020年3月31日 8時

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