【名探偵コナン】小学時代の旧友がイケメンになっててシフト被ってる。

16話 ページ16

「あ、この本僕も読んだことあります。おや、シャーロックホームズもあるんですね」



「黙って寝るか帰って。」






ベッドの横にある本棚をいじる安室透に、クッションを投げつけた。






「えー、いいじゃないですか。」




「クッションじゃあ物足りない？」

「やめてください」




電気スタンドを片手に首を傾げればスッと身を引いたのも束の間、今度は卒アルに目を止めた。



じっとできない男ね。







「卒業アルバムですか！」


「それ以外の何でも無いわよ。」








卒アルに手を伸ばす安室透を見て、ふと頭によぎった名前がある。





【降谷零】




「あ、」


「なんですか？」





顔は随分似てるけど、こんなフェミニストじゃなかったし、何より敬語なんて使ってなかった。



まぁ、小学だけの付き合いだったから、何か変化があっても不思議じゃないのだけれど。






「私たちって、どこかの学校で同じになった事ある？」




まぁ、一応聞いておこうかしら。








「……いえ、ないですよ」


「ないんかいッッ」





散々久しぶりとか言っておいて何？


口を開けてから答える間に随分間があったけれど…、





「僕の勘違いのようでした。」




「ふーん？」

「痛いです！！」




彼の両頬を引っ張り、空いた手で傷口を触った。








こればかりは、私の勘なの、



別に気にすることはないのだけれど、



間違ってたらごめん、









「あんた、本当に"安室透"？」




いいえって、


降谷零ですって、








「えぇ。喫茶ポアロでバイトしてる、ただの"安室透"です。」





そう言ってくれたら良かったのに。









「どうしてそんなこと聞くんですか？」



不思議そうな表情を浮かべる彼の頰を離した。







「私も、あんたに会ったことある気がしたから。」









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_







いいえって、



降谷零ですって、









私の初恋の人だと、








そう言ってくれたら良かったのに。

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