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「 今日、泊まるでしょ？ 」
まったりとゆっくり時間が進むのを感じながら
テレビを二人で見ていると、彼が口を開く
泊まりたい
とは思ってたけど、彼は泊まってなんて言ってなかったから
服や下着なんかは持ってきてない
それに手ぶらだ
「 あれ、そうなの？てっきりご飯食べて帰んのかなって 」
「 俺が夜に来た恋人をそのまま帰す訳無いじゃん 」
じっと俺の目を見詰めながらそう言うから
また彼の事で頭がいっぱいになる
テレビに集中したいのに
またこんな気持ちになりたくないのに
タレ目気味の彼の目に惹きよせられて
俺は彼に近付いた
「 やり手だね 」
「 んー？なにが？ 」
「 … ううん、なんでも 」
「 変なの
じゃあ風呂入って寝よっか、一緒でいいよね 」
「 え？ 」
「 え？ 」
男と風呂なんか何回でもある
数え切れない程。
だけど恋人になった人とは入った事が無かった
いつも、入れてくれなかった
妙にドキドキするこの湧き上がってる感情が鬱陶しくて
かつ嬉しくて
俺は無性にも彼の顔を見てニヤッと笑う
「 なあにもう、ほら行くよ 」
そんな俺を見て笑った彼
手を引いてはお風呂がある場所へと連れて行かれ
脱衣所に着けば二人対面になりながら固まる
キスは軽々しく終わった
いや、決してキスそのものは軽くなかったけど
目の前で裸になるなんて考えたら
そりゃあ固まるさ
第一まだ付き合って一週間くらいなのに。
「 せ、せーので脱ごう 」
彼がそう言って、俺は頷き
合図と共に脱ぎ始める
脱いでる間に見える彼の白い肌に薄らと浮かぶ腹筋
脇毛や胸毛、うぶ毛なんかもない
下は、あったけど。
二人脱ぎ終えれば、止まるタイミングを与えずに
浴室へと入った
シャワーにあたって髪を洗う
横目に見る濡れた彼の姿はいつも以上に美しかった
少し斜め上を向いて、俺の身体を見ないようにしているその姿
なんだかこっちも照れ臭い
「 何ジロジロ見てんの、変態 」
「 な … っ、どっちが 」
横目に見ていても気付かれていた俺の視線
流石に見過ぎたか、と反省しつつもそっぽを向く
シャンプーを手の上に乗せて、軽く手に馴染ませ
髪につけて目をつぶった
「 俺にやらせて 」
彼は俺の指に指を絡めて
同時に泡立たせる様に動かす。
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作者名：渚 | 作成日時：2022年4月29日 21時
