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「 なあにその顔、なんかあると思った？ 」
「 … 思ってない、毛布ってどこ 」
「 え？なんで？寒い？ 」
「 いや、俺ソフ .. 「 ソファで寝かせる訳ないじゃん 」
二人してタオルで髪をゴシゴシと拭きながら歩く中
俺の言葉に彼は食い気味に答える
なら、一緒に寝るって事なのか。
そう思えば思う程縮こまって動かなくなる体
こんなに単純になった覚えなんてない
心に言い聞かせて、彼の後を追おうとするが動かない
なんで。なんでだ。
「 ん？翔太ー？ 」
着いてこない俺を不思議と思い
寝室らしき部屋から顔を覗かせる彼
ゆっくりとこちらに顔を傾けさせながら近付いてくるが
今近付かれると、きっと俺が持たない
ただでさえ彼のせいでこんなになってるのに
当事者が来たら駄目だろ
「 ……… 」
「 … なら、ソファで寝るか 」
と、彼は言って先程居た寝室に戻り
暖かそうな毛布を持ってきてはソファにストンと置いた
ダブルソファで
ただでさえ脚がめいいっぱい伸ばせないのに
彼は俺と寝る気満々でソファに寝転がれば
自分自身に毛布をかけて、俺が入る場所らしき所の
毛布を退けて、トントンと手でおいでとしてくる
いや、そういう問題じゃないんだよな。
「 … 狭くないの 」
「 むしろ近くていいじゃん、ぎゅーってしなきゃ
落ちちゃうから強制的にハグしなきゃいけないこの状況
最高だよ、俺にとって 」
渋々中に入り、彼に背を向けながら身体を丸めれば
スっとお腹の上に彼の手が乗って、強く引き寄せられる
暖かくて、大きくて、細い指の手
見てもないのに想像ができて苦しい
身体も近ければ顔も近いから
話すだけで彼の息が耳元に来て
声も小さく話す為に変に気持ちよくなる
耳が弱いのも治ってなかったのか。
「 んねぇ翔太 」
少しかすれた声で耳もとで呟かれた声は
消えそうだ
肩をビクッと動かしながらも
「 ん？ 」
と返事すれば
数秒後に返事が来る
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「 おれ、しょうたのことだいすき 」
:
彼はそう言って、寝息を立てた。
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作者名：渚 | 作成日時：2022年4月29日 21時
