第五章 雨降ル ページ22
Aちゃんが探偵社に来てかなりの時がたった
組合での闘いは死者が多く出た
1日に十件
遺族の元を回ったと言う
『ただいま』
太宰「ッおかえり!!」
元気が無くなっていくAちゃんを
やはり、私はただ見ていることしかできなかった
太宰「今日は何軒回ったんだい?」
『12件…』
ポタッ…
太宰「ッ」
Aちゃんの顔を掴んで上にグッとあげる
太宰「ッ出血」
太宰「早く手当しよう」
この日は額から血を流して帰ってきた
この前は青あざを増やして
その前だってッ
『いっ』
太宰「ッ!すまない」
私の掴んだ腕はこの前の任務で負傷したらしい
気がつけば、Aの身体は私みたいに包帯だらけになった
そんなAちゃんを見て
なんの不満も言わないAちゃんをみてなんだか胸の奥から沸々とわいてくるものがあった
与謝野さんが出かけている今
医務室にいるのは私とAちゃんだけで…
駄目だ抑えろ
…
駄目だ
胸の沸々は止まることなく湧き上がった
太宰「…やめてよ」
『?』
太宰「やめなよ」
『?太宰…さん?』
私を心配して手を伸ばそうとしたAちゃんに
太宰「やめろよっ!!!」
『ッ!!!!』
なんだかカァっとなって手を振り上げてしまった
頭を守るようにかかえ疼くまるAちゃんを見てハッとなった
太宰「すまない…ごめん!」
そう手を伸ばしてもパシッと払われた
『あっ…ち、違う!ごめんなさ…ごめんなさい』
と涙を流しながら謝るAちゃんに、罪悪感ばかりが募る
太宰「悪いのは私だよ」
太宰「ごめんね…怖かったね」
…
…
…
太宰「芥川君の家行っておいで」
太宰「後の仕事は私がするよ」
…
『はい…』
そう言って部屋を出て行った
どうして僕は
こんなに不器用なのだろうか
…
…
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夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 猫春#ねこはるさん» 読んでもらえてとっても嬉しいです!舞い上がってますw最初とその後の切り替え凄いですよね、ややこしい事になってしまいすみません…と思いながら優しい太宰さんも怖めな太宰さんも好きなので書いてしまいました (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 来世は推しと生きたいさん» ありがとうございます!次回作は芥川さんから一度離れてみようかと思い別の人物に手を出してしまいました。毎作品、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます! (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 取り消します。死ぬほど優しかったです(((今読んでる最中の人 (12月24日 17時) (レス) @page11 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 太宰さんが怖すぎて好きです (12月24日 17時) (レス) @page7 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
来世は推しと生きたい - 完結おめでとうございます!!何度も主様の作品に泣かされました…本当に感動物です。私は芥川推しなのですが,主様の書く原作を保ちながら優しさを少しずつ見せる感じがすごく好きです。あと夢主ちゃんの性格も毎回好きです!次回作も読ませて頂きます! (12月24日 17時) (レス) @page44 id: 3324b2c332 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢幻泡影(むーにー) | 作成日時:2023年10月16日 0時