【文スト】芥川さん、私もう…

・ ページ17

…




…




まず向かうのは遺体留置場





『ッゔ』






込み上げるものを必死に抑える







目の前には切断された遺体があった






近くに行き手を合わせる





そして着ているものから肩身になりそうな物をさがす






綺麗に洗浄して詰める






そしてカバンに入れて






向かう





…





コツコツ




…コツコツ




…





ピーンポーン






〈はーい〉






『武装探偵社のAと申します』







ガチャッ






〈わざわざ探偵社から…どうなさいました？〉







『〇〇さんのお母様ですよね』







〈…えぇ〉







『この度は大切なお話をする為にお時間を頂きたくまいりました』






〈…どうぞ〉







家にあげてくれた







〈お茶でごめんなさいね…これくらいしか出せるものが無くて…〉






『いえ…ありがとうございます』





『それでは』





すっと資料をだす












『…行方不明になっていた〇〇様の息子様ですが、11月3日にご遺体となり発見されました』







〈うそ… うそっ〉







紙を見つめ震える彼女を前にどうすることもできなかった





『息子様は裏社会との関連があったことが調査結果から判明いたしました』






『息子様はポートマフィアに殺されたことが判明致しました。殺される数日前、ポートマフィアの資料を知らずのうちに覗いてしまったのが原因でしょう』







〈ッ…〉







『守りきれず…申し訳ございませんでした』






明日から立ち上がり謝罪した






〈いいの…頭をあげてちょうだい〉







鼻声で






震えた声で





涙を流しながら





私に伝える





そんな彼女にかけられる言葉なんて見つからなくて





無くて…





『…』






『彼がつけていた指輪です』






遺品を渡して家を出た







目の前で苦しむ人を助けられない






それが苦しくて苦しくて






辛かった

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す